XF-87 (航空機)

XF-87 ブラックホーク（Curtiss-Wright XF-87 Blackhawk）

概説
XF-87 ブラックホークは、アメリカのカーチス・ライト社が試作した夜間・全天候型の戦闘機です。この機体は、第二次世界大戦中にジェット攻撃機XA-43の設計として始まりましたが、1945年にアメリカ陸軍航空軍が夜間の迎撃機を求めたことから、設計が改訂されXP-87の開発がスタートしました。最終的にこの機体は、優れた飛行性能を競う他機に劣り、採用には至りませんでした。
ブラックホークの愛称は、アメリカのインディアンのソーク族の首長に由来し、1948年の命名規則変更に伴いXP-87からXF-87への改名が行われました。この機体は、カーチス・ライト社が手掛けた最後の戦闘機でもあります。

設計と仕様

XF-87は、直線翼の複座構成を持つジェット戦闘機で、4つのエンジンを装備しています。特に、エンジンは2基が一体化されて主翼の中ほどに配置されており、効率的な設計がなされています。また、パイロットとレーダー手はサイドバイサイドの配列で座り、作戦行動の連携が図られるようになっています。
武装については、機首に20mmの機銃が4門、尾部に12.7mmの機銃が2門搭載される計画がありました。最初の案では、機首の機銃を旋回機銃として運用することも考えられていました。

初飛行と開発の経過

XF-87は1947年8月に完成し、初飛行は1948年3月5日にカリフォルニア州ミューロック乾湖で行われました。その後、同年6月にはXF-87という名称に変更されました。F-87A戦闘機型は57機、RF-87A写真偵察機型は30機がそれぞれ発注されることになりました。しかし、F-87Aに搭載される予定だったエンジンをGE J34からJ47に変更する計画があったものの、出力に関する問題が発生し、運動性も期待外れでした。その結果、P-61の後継機にはノースロップF-89が選定されたため、XF-87の開発は1948年10月10日に中止が決定されました。
試作機として作られた2機は残念ながらスクラップとして処理されることになりました。

各型の概要

• - XA-43: 当初は攻撃機として開発される予定でしたが、戦闘機の計画に転用されることになり、開発が中止されました。
• - XF-87: 2機の試作機が製造された段階での名称です。
• - F-87A: 戦闘機型ですが、実機は製造されず57機の量産発注のみされました。
• - RF-87A: 写真偵察機型も同様に、実機はなく30機の量産発注が行われただけでした。

主要技術データ

• - 乗員: 2名（パイロット、通信士）
• - 総生産数: 2機
• - 全長: 62フィート（約18.9メートル）
• - 全幅: 60フィート（約18.3メートル）
• - 空虚重量: 約25,930ポンド（約11,760キログラム）
• - 最大離陸重量: 約49,900ポンド（約22,600キログラム）
• - エンジン: Westinghouse発XJ34-WE-7 ターボジェットエンジン × 4基
• - 最大速度: 約600 mph（約970 km/h）
• - 航続距離: 約1,000マイル（約1,600 km）
• - 実用上昇限度: 約41,000フィート（約12,500メートル）
• - 武装計画: 20mm機関砲 × 4および12.7mm機銃 × 2

XF-87ブラックホークは、試作段階で終息を迎えたものの、当時の航空機設計において重要な役割を果たした試みの一つと認識されています。

もう一度検索