XF12F (航空機)

グラマンXF12Fについて

グラマンXF12Fは、アメリカ海軍の航空母艦を防御するために設計された全天候型ミサイル武装要撃機です。この機体は、実際には製造されることはなく、計画段階で終わりました。XF12Fは、最初はF11Fタイガーの性能を向上させるバージョンとしての構想から始まりましたが、次第により大規模なプロジェクトへと発展していきました。

1955年には、XF12Fの2機の試作機（にシリアル番号143401および143402が付与されました）が発注されました。しかし、F4HファントムIIの成功が大きな影響を及ぼし、その年のうちにプロジェクトはキャンセルされてしまいました。この背景には、F4HファントムIIが持つ高い性能が、XF12Fの開発を必要としないと判断されたためです。

グラマンは、その後の艦上戦闘機として、1968年にF-14トムキャットの開発に着手しました。この新型機は、当時の海軍に求められる能力を備えた重要な戦闘機となりました。

XF12Fという名称は、アメリカ海軍が1922年から1962年まで採用していた命名基準に基づいて名付けられたものであり、1962年以降の統一命名基準のもとでは名付けられることはありませんでした。このように、XF12Fはその特異な背景とともに、航空機の歴史に名を刻むこととなりました。

なお、リパブリックXF-12レインボーや空軍のロッキードYF-12戦闘機とは異なる機体であり、XF12Fとは無関係です。

XF12Fの要目

XF12Fの仕様については以下の通りです。これらのデータから、この機体の大きさや性能が伺えます。

• - 乗員数: 1名
• - 全長: 17.83 m (58 ft 6 in)
• - 全幅: 13.38 m (43 ft 11 in)
• - 全高: 4.52 m (14 ft 10 in)
• - 翼面積: 55.27 m² (595 ft²)
• - 空虚重量: 11,955 kg (26,355 lb)
• - 全備重量: 16,919 kg (37,300 lb)
• - エンジン: ゼネラル・エレクトリック J79-GE-207 (推力 8125 kN / 18,000 lbf) × 2基
• - 最大速度: マッハ2
• - 上昇限度: 18,288 m (60,000 ft)

このように、グラマンXF12Fはその計画が実現することはなかったものの、米国の軍事航空の歴史において興味深い一幕を示す存在であることは間違いありません。実機が存在しなかったとしても、その設計への挑戦や試みは、航空技術の進歩に影響を与えた点において評価されるべきでしょう。

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