XI (人工衛星)

XIプロジェクトの概要

XI（X-factor Investigator, サイ）は、東京大学中須賀研究室（ISSL）が手掛けたCubeSatシリーズです。このプロジェクトでは、実験モデルとしてXI-IからXI-IIIの3機を製作し、フライトモデルとして実際に地球周回軌道に投入されたXI-IVおよびそのバックアップとなるXI-Vが開発されました。

XI-IV

XI-IVはサイプロジェクトの4号機であり、2003年6月30日にロシアのプレセツク宇宙基地から相乗り衛星として打ち上げられました。打ち上げ後は、CMOSイメージセンサーを用いて地球の画像を撮影し、そのデータを地上に送信することに成功しました。これにより、宇宙からの地球観測の実証が行われました。定常運用は2003年10月29日に終了しましたが、2010年6月時点では後期運用が続いており、その運用状況は注目されています。

XI-V

一方、XI-VはXIプロジェクトにおける5号機で、4号機のバックアップとして同時期に開発されました。本来の計画では打ち上げの予定はありませんでしたが、XI-IVの成功を受けて、新たに太陽電池の実証ミッションを行うことが提案され、発射が決定されました。2005年10月27日に、同様にロシアのプレセツク宇宙基地からESAの教育用衛星SSETI Expressに収納されて打ち上げられました。

XI-VもCMOSイメージセンサーを搭載していますが、XI-IVで用いていたカメラ制御用ソフトウェアが改良されており、画像の取得サイズは倍増し、さらには衛星の姿勢運動を推定するための連続撮影モードも実現されています。また、最新式のCIGS太陽電池が搭載されており、これを通じて劣化傾向の評価も行われています。2010年6月現在、XI-Vも後期運用に入っており、データ収集や技術の実証が続けられています。

参考資料と関連項目

XIシリーズに関心を持つ方々へ、関連資料としてPRISMや東京大学のCubeSatプロジェクトの公式ページを挙げておきます。さらに、XI MAIL STATIONでは、地球を撮影した画像を見ることも可能です。これらの情報は、宇宙技術の発展や地球観測の新たな可能性を知るための貴重な資源となるでしょう。

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