XP-58 (航空機)

XP-58 チェイン・ライトニングについて

XP-58 チェイン・ライトニング（Lockheed XP-58 Chain Lightning）は、アメリカ陸軍航空軍のために設計された双発の戦闘機です。この機体は、ロッキード社によって開発され、P-38ライトニングの進化形となります。1944年7月6日に初飛行を果たしましたが、開発は後に中止されました。

開発の背景

アメリカ陸軍航空隊は、1940年4月20日にロッキード社に対し、P-38の発展型となる長距離戦闘機の開発を依頼しました。最初の段階では単座型と複座型の設計が検討されましたが、最終的には複座機型が選定され、XP-58という名称が与えられました。

当初の設計では、胴体後部に砲撃者の席や銃塔を設けることが計画されており、基本的な形状はP-38を基にしつつも、大幅な改良が施されました。その中には胴体の形状変更、エンジンナセルの拡大、主翼の大型化が含まれています。初期案では液冷エンジンの搭載が検討されていましたが、実用化に困難が伴い、最終的には空冷式のライトR-2160エンジンが選ばれました。このエンジンは開発中であり、出力は2,300馬力を計画していました。

機体設計の変更

1942年9月、アメリカ陸軍航空軍はXP-58を爆撃機迎撃用に特化した機体として改造する方針を定めました。この新型機には、機首に37mmの機銃を搭載し、主に爆撃機への対抗手段として機能させることが狙いでした。しかし、その後もR-2160エンジンが開発上の問題を抱えたため、1943年2月にはアリソンV-3420液冷エンジンへと変更が決まりました。

初飛行とその後

1944年にXP-58はようやく初飛行を迎えましたが、その時点では爆撃機迎撃機の必要性が少なくなっていたため、2機目の試作機の製作は中止されました。また、同年10月には陸軍航空軍への納品が行われましたが、その後の開発は継続されることはありませんでした。

仕様

XP-58 チェイン・ライトニングの主要な性能は以下の通りです：

• - 全長: 15.0m
• - 全幅: 21.3m
• - 全高: 4.9m
• - 自重: 9.8t
• - エンジン: アリソンV-3420液冷レシプロエンジン（2,600馬力）×2基
• - 乗員: 2名
• - 武装:

- 機首にM4 37mm機関砲×4門、胴体後上部にAN/M2 12.7mm機銃×2門、胴体後下部にAN/M2 12.7mm機銃×2門
- または、機首にT13E1 75mm砲×1門及びAN/M2 12.7mm機銃×2門、胴体後上部にAN/M2 12.7mm機銃×2門、胴体後下部にAN/M2 12.7mm機銃×2門

• - 最大速度: 702km/h

このようにXP-58 チェイン・ライトニングは、当時の技術を駆使して設計された戦闘機であり、その背景には多くの技術的挑戦と開発の過程がありました。

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