XV-15 (航空機)

ベル XV-15の概要

ベル XV-15（英：Bell XV-15）は、アメリカで開発されたティルトローターのVTOL（垂直離着陸）航空機です。この機体は、実際に飛行したティルトローター実験機としては世界で2番目の成功例であり、ヘリコプターに比べて巡航速度や航続距離において優れた性能を持つことを証明しました。

歴史的背景と開発

ティルトローター航空機は、1930年代からその概念が存在しており、初めての特許は1930年に取得されました。しかし、実用的な開発はほとんど進行しませんでした。第二次世界大戦中のドイツでも試作機が開発されましたが、試験飛行には至りませんでした。
1947年にはアメリカで初となるティルトローター航空機が2機試作され、これが実際に飛行した初のモデルとなりました。これらの試作機は、以降のティルトローター技術の基盤となりました。

ベル XV-3は1955年に初飛行を果たし、この後、理論と数々の風洞実験を通じて更なる技術的革新が進められました。その結果、1971年にNASAによるXV-15の開発計画がスタートしました。

XV-15の設計と技術的特徴

XV-15は、エンジンを翼端のポッドに配置し、直接回転翼に接続するという革新的な設計を採用しました。この方式により、より軽量で効率的な動力伝達が可能となり、動力が胴体から翼端までの長い距離を移動する際の重量増加を抑えることができました。

また、傾斜式エンジンを導入し、水平飛行と垂直飛行のスムーズな遷移を実現しました。これにより、より高度な飛行性能を発揮し、様々な環境での運用が可能になりました。

飛行試験と成果

XV-15はエドワーズ空軍基地にて詳細な飛行試験を行い、ヘリコプターと通常の航空機モードの間を円滑に遷移する能力を示しました。これにより、XV-15は1980年代の航空ショーでも披露され、民間機や軍用機へとその技術が応用されていくことになります。

諸元

この航空機は2名の乗員を搭載し、全長12.83メートル、翼幅17.42メートル、最大離陸重量は6,000キログラムに達します。また、アヴコ・ライカミングのターボシャフトエンジンを2基搭載し、最大速度557キロメートル毎時を誇ります。最大航続距離は825キロメートルにおよび、実用上昇限度は8,840メートルです。

まとめ

ベル XV-15は、航空機の設計における重要なマイルストーンとなった機体です。その革新的な技術は後のティルトローター機にも深い影響を与え、現代の航空機の設計における基盤を築きました。XV-15の成功は、航空技術のさらなる進歩に向けた第一歩でした。

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