XYZ (バンド)

XYZは、1980年代初頭に結成された、イングランド出身のロック・スーパーグループです。グループ名は、元レッド・ツェッペリンのギタリストであるジミー・ペイジと、元イエスのメンバーであるクリス・スクワイア（ベース、ボーカル、キーボード）とアラン・ホワイト（ドラム）の頭文字から「eX-Yes-&-Zeppelin」に由来します。

結成の経緯

XYZは、クリス・スクワイアが1980年のクリスマスの少し前のパーティで偶然ジミー・ペイジと出会ったことがきっかけで結成されました。元グリーンスレイドのキーボード奏者でボーカリストのデイヴ・ローソンも参加しています。スクワイアがグループのメインライターを務め、ペイジは強力なボーカリストが必要だと考え、元レッド・ツェッペリンのフロントマンだったロバート・プラントに声をかけました。

しかし、プラントは1981年2月28日に一度リハーサルに参加したものの、音楽の複雑さや、長年の友人であったレッド・ツェッペリンのドラマー、ジョン・ボーナムの急死による心の傷が癒えていないことを理由に、グループへの参加を辞退しました。

プラントの辞退に加え、マネージメントを巡る契約上の問題（ピーター・グラントかブライアン・レーンか）も発生し、プロジェクトは頓挫してしまいました。

その後の展開

XYZの活動停止後、スクワイアとアラン・ホワイトは1981年10月にクリスマス・シングル「Run with the Fox」を録音しました。その後、ギタリストのトレヴァー・ラビンとキーボード奏者のトニー・ケイを迎え、シネマを結成。ラビンは当初、XYZのマテリアルと自身のソロ曲を新しいグループのために作り直そうとしました。シネマは後に、シンガーのジョン・アンダーソンが加わり、1983年のアルバム『ロンリー・ハート』をレコーディングし、結果的にイエスの再編へと繋がりました。

XYZのマテリアルが『ロンリー・ハート』にどのように影響を与えたかは不明ですが、ホワイトは2008年のインタビューで、「それらはいくつかの曲の始まりとなり、次のイエスのアルバムに結びついた」と述べています。また、2012年のインタビューでも、XYZのマテリアルがアルバム『ロンリー・ハート』で使用されたことを認めています。

1984年、ドイツのドルトムントで行われた「9012ライヴ・ツアー」のコンサート中に、ジミー・ペイジがイエスに飛び入り参加し、スクワイアとホワイトと共に「アイム・ダウン」を演奏しました。

ペイジは、XYZのマテリアルをリリースする可能性について否定しておらず、スクワイアもこの考えを支持していますが、ペイジから具体的な話はないと述べています。

デモ・マテリアル

XYZは、4曲入りのデモテープを残しており、その内容はインストゥルメンタル2曲と、「Can You See」「Telephone Secrets」（スクワイアのボーカル）という歌もの2曲で構成されています。これらのデモ音源は、ROIOトレーディング・サイトで入手可能です。

インストゥルメンタル1曲は、イエスの1997年のアルバム『キーズ・トゥ・アセンション2』に収録された「マインド・ドライヴ」の一部として再利用されました。
もう1つのインストゥルメンタルは、ザ・ファームの「フォーチュン・ハンター」のイントロとして使用されました。スクワイアは、「楽曲の1つは『フォーチュン・ハンター』と呼ばれることになったもので、ジミーがミックスして取り入れたリフを元にしていました。『マインド・ドライヴ』の一部もこれらのセッションからのものです。ほとんどの曲は私の作品で、私が唯一のボーカリストです」と説明しています。
「Can You See」は、イエスの2001年のアルバム『マグニフィケイション』で「Can You Imagine」として再び取り上げられています。

メンバー

クリス・スクワイア (Chris Squire) - ベース、キーボード、ボーカル
ジミー・ペイジ (Jimmy Page) - ギター
デイヴ・ローソン (Dave Lawson) - キーボード
* アラン・ホワイト (Alan White) - ドラム

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