Xenon (マイクロプロセッサ)

Xenon（ゼノン）とは

Xenonは、マイクロソフトの家庭用ゲーム機Xbox 360のCPUとして搭載された、PowerPCベースのマイクロプロセッサです。開発コードネームは、IBM側で「Waternoose」、マイクロソフト側で「XCPU」と呼ばれていました。

概要

このプロセッサは、IBMのPowerPC命令セットアーキテクチャを基盤とし、1つのダイ上に3つの独立したプロセッサコアを統合しています。各コアは、PlayStation 3専用に設計されたCellプロセッサのPPEと同じ設計者によって開発されました。XenonはCellよりも6週間早く完成したとされています。

各コアは、2つのシンメトリックなハードウェアスレッド（SMT）を実装しており、合計で6つのハードウェアスレッドを同時に処理できます。これにより、ゲームなどのマルチタスク処理において高いパフォーマンスを発揮します。また、各コアは8KBのL1命令キャッシュと8KBのL1データキャッシュを備えています。

製造はChartered社が担当し、製品には「XCPU」のラベルが貼られていました。Chartered社は2007年に製造プロセスを65nmに微細化し、製造コストを削減しました。その後、2010年にChartered社はGLOBALFOUNDRIES社と合併し、以後はGLOBALFOUNDRIESが製造を引き継いでいます。

また、「Xenon」という名称は、Xbox 360の初期開発時のコードネームとしても使用されていました。

仕様

Xenonプロセッサの主な仕様は以下の通りです。

製造プロセス:
90nmプロセス（初期モデル）
65nmプロセス（2007年以降、コードネーム「Falcon」）
45nmプロセス（2010年以降、Xenos GPUと統合）
トランジスタ数: 1億6500万個
コア構成: 3つのシンメトリックコア（各コアは2つのSMTに対応）、3.2GHz動作
SIMD: VMX128（各コアに2 x (2 x 64bit)レジスタファイル）
L2キャッシュ: 1MB（GPUによるロック可能）
L2メモリバンド幅: 12.8GB/秒
フロントサイドバス: 5.4GB/秒

まとめ

Xenonは、Xbox 360の性能を支えた重要な要素であり、当時としては高度なマルチコアプロセッサでした。そのアーキテクチャは、ゲーム開発者にとって大きな可能性を提供し、Xbox 360の成功に貢献しました。

脚注

上記の仕様は、初期モデルから後期モデルまで含めた情報です。製造プロセスや統合されたGPUなど、時期によって仕様が異なる場合があります。

関連項目

Xbox 360
PowerPC'>PowerPC
マイクロプロセッサ

外部リンク

Ars Technica explains the Xenon CPU
Xenon hardware overview by Pete Isensee, Development Lead, Xbox Advanced Technology Group

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