Xvid

Xvid（エックスブイアイディー、エックスビド）は、オープンソースで開発されているフリーのビデオコーデックです。MPEG-4 ASP (Advanced Simple Profile) に準拠しており、その高い圧縮率と画質のバランスから、広く利用されています。かつては「XviD」という名称でリリースされていましたが、2006年10月以降は「Xvid」と表記されるようになりました。

歴史的背景

Xvidの起源は、DivXNetworks社（現DivX .Inc）が開始したOpenDivXプロジェクトにあります。このプロジェクトで開発された成果は、DivXコーデックの商用製品化へとつながりました。しかし、この方針転換に反発したプログラマーたちが、オープンソースで開発を継続し、Xvidが誕生しました。名称はDivXを逆にしたものです。OpenDivXプロジェクト自体は現在開発が停止しており、DivX4.0コーデックを基盤としています。また、シグマデザインズ社の「RMP4」というコーデックにソースコードが盗用された過去もあります。

ソフトウェア特許

XvidはMPEG-4の特許ライセンスを取得していません。そのため、開発プロジェクトではソースコードのみを配布し、ライセンス問題を回避しています。しかし、日本の特許法第68条では、個人利用など「業として」バイナリの配布・利用を行わない限り、特許権侵害には当たらないとされています。

その他の特徴

Xvidのエンコード速度は、設定にもよりますが、一般的にDivXよりも高速であるとされています。PC環境では、Windows 7以降のメディアプレイヤーで再生可能です。また、DivXビデオ対応のDVDプレーヤーやゲーム機など、家電製品でも再生できる場合があります。

Xvidの読み方は、「エクシビッド」「エックスブイアイディー」「エックスビド」「エックスバイド」「キシビッド」など、複数のバリエーションがあります。正式な読み方は定まっていません。

利用例

Xvidは、MPEG-4の実装学習や研究用として利用されることがあります。また、ファイル共有ソフトを通じて、DVDやテレビ番組の交換・共有にも使われています。しかし、商業用ソフトで使用した場合、そのソフトのソースコードを公開する義務が発生するため、一部の例外を除き、商用利用は限定的です。過去には、アクアプラス発売のPCゲームで、ライブラリを使用していることが判明し、ソースコード公開に至った事例があります。

コンテナ形式

Xvidは、他のビデオコーデックと同様に、DirectShowを利用したコンテナ形式（AVI、MKVなど）に格納できます。映像をXvidで、音声をMP3で、コンテナをAVIでという組み合わせが一般的でした。ただし、AVI形式ではBフレーム（前後参照フレーム）を扱うことができないため、GOPをパック処理するなどの工夫が必要です。また、一部のデコーダーでは先読み処理で対応していますが、MKVなどでデコードするよりも負荷がかかる傾向があります。

以下は、Xvidが使用される一般的なファイル形式の例です。

• - (Xvid+MP3).avi
• - (Xvid+AAC).mkv

FOURCC

Xvidで使用できるFOURCC（Four-Character Code）は、用途に応じて選択できます。

• - XVID
• - DIVX

エンコードソフト

Xvidで動画をエンコードするためのソフトウェアは多数存在します。

関連項目

• - DivX
• - ffdshow
• - x264
• - MPEG LA
• - オープンソースのコーデックとコンテナフォーマット一覧

出典

• - Xvid.org

外部リンク

• - Xvid.org

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