YES (BRADIOのアルバム)

BRADIOのメジャーデビューアルバム『YES』は、2018年7月4日にリリースされました。このアルバムは、バンドにとって大きな転換期となった出来事を経て制作されました。ボーカル兼ギターの大山聡一は、アルバム制作前の1月に、ドラムの田邊有希の脱退という出来事が、バンドが本当にやりたい音楽を見つけるきっかけになったと語っています。ライブ活動を通じて、メンバー間の結束が強まり、その一体感がアルバムのサウンドにも反映されていると言います。

田邊の脱退後、ドラムには大山とベースの酒井亮輔の専門学校時代の友人であり、対バン相手のバンドのメンバーでもあったヤス（結城泰範）が参加しました。プロデューサーには藤井丈司が迎えられ、バンドメンバーに客観的な視点からのアドバイスを送りました。

アルバムの音楽性について、インタビューアーは「『FREEDOM』よりもっと自由になった」と評しており、メンバーの真行寺貴秋も「保守的にならず、自分たちからグルーヴを作り出そうとする動きが多かった」と語っています。大山は、ドラムとベースが仕掛けを作り、ギターがそれに応戦したり、あえて無視したりするなど、グルーヴを追求したと振り返っています。

2曲目の「スキャット・ビート」では、酒井がヤスとの刺激的なグルーヴを楽しみ、遊び心を持って制作できたと語っています。1曲目の「Funky Kitchen」と7曲目の「Shout To The Top」ではラップが取り入れられ、「Shout To The Top」の歌詞は真行寺自身の経験に基づき、自分自身を表現することの大切さを歌っています。3曲目の「Sexy Lover」は、藤井の助言により、よりセクシーな楽曲へと変化しました。

9曲目の「INAZUMAジャケット」は、大山がふざけた楽曲だと評しており、バンドの成長によって、自身のルーツであるエモやパンクの要素を取り入れることができたと語っています。酒井も「『Sparkling Night』の逆バージョンで、かなりハチャメチャな感じになっている」と語っています。インタビューアーから「ニューウェイヴのようだ」というコメントに対して、酒井はそれを肯定しつつも、ニューウェイヴを意識したわけではないと述べています。「INAZUMAジャケット」の歌詞は、成長過程で現れる「見えない敵」と戦う人々を応援する内容です。

アルバムのアートワークには、油絵で「YES」と描かれたものが使用されており、真行寺は、油絵の独特な混ざり具合が、レコーディング時のワクワク感と共通すると語っています。アルバムタイトルは「作品として『YES!』と言えるアルバムができた」という自信から名付けられました。

収録曲は以下の通りです。

1. Funky Kitchen (日本テレビ系ドラマ『バトル・クリーク 格差警察署』エンディングテーマ)
2. スキャット・ビート
3. Sexy Lover
4. Boom! Boom! ヘブン (リアル脱出ゲーム『夜の巨大監獄からの脱出』テーマ曲/日本テレビ系『スッキリ』2018年7月テーマ曲)
5. きっと遠く キミともっと遠く
6. Sparkling Night
7. Shout To The Top
8. きらめきDancin'
9. INAZUMAジャケット(テレビ東京系アニメ『デュエル・マスターズ』エンディングテーマ)
10. Feel All Right
11. 人生はSHOWTIME
12. LA PA PARADISE

アルバム発売に先立ち、全曲試聴可能なティザー動画が公開されました。また、2018年7月10日にはテレビ東京の番組『おはスタ』で『INAZUMAジャケット』のライブパフォーマンスを披露しました。

『YES』は、BRADIOの新たな音楽への挑戦と、メンバーの絆が結実した、聴き応えのあるアルバムです。

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