YOKOHAMA NAVYBLUE

YOKOHAMA NAVYBLUE（ヨコハマネイビーブルー）

YOKOHAMA NAVYBLUEは、相模鉄道が自社の電車に施した特有の塗装色であり、略称はYNBです。この独特の色合いは、横浜の海を想起させる深い水色で、ブランドイメージの強化を目指して2016年春に導入されました。塗料には自動車用のマイカ（雲母）を含み、光沢感が加えられています。

概要と背景

相模鉄道は2017年の創立100周年や、2019年度の都心への直通運転を前に、「デザインブランドアッププロジェクト」を推進しました。このプロジェクトは、自社の認知度とブランドの向上を図る目的で立案され、特に1995年のピーク以降、輸送人員が減少し、自社の認知度が低下している状況を打破するために進められました。この計画により、駅舎や職員の制服などのデザインがリニューアルされ、車両のデザインも一新されることになりました。

プロジェクトは2013年に開始され、2015年には正式に発表されました。デザインの監修は、熊本県のPRマスコット「くまモン」を考案した水野学氏や空間プロデューサーの洪恒夫氏が担当しました。

車両のデザイン方針

相模鉄道では、車両のデザインにおいて、古さを感じさせない洗練されたデザインと、普遍的な色を基準にしています。地元の海をイメージした「YOKOHAMA NAVYBLUE」塗装においては、これまでの伝統的な色彩を再考し、視覚的にも印象を与えることを目的としました。青一色の塗装は、阪急電鉄の伝統的な茶色のイメージを踏襲しており、100年経っても色褪せないことを目指しています。

このようにして選ばれた「YOKOHAMA NAVYBLUE」は、新たに製造される鉄道車両に加え、既存車両にも塗装変更が行われることが計画されています。具体的には、相鉄新横浜線の全線開業に合わせて80%の車両をこの新色に統一する予定でしたが、コロナ禍の影響で進行が遅れています。

デザインブランドアッププロジェクト

相模鉄道のこのプロジェクトは、車両のリニューアルや新造だけにとどまらず、駅舎や職員の制服なども含んでいます。これにより、相模鉄道のブランドイメージは大きく刷新され、多様なデザインが導入されています。

車両リニューアルと新造

YOKOHAMA NAVYBLUEを基調とする車両リニューアルは、2015年度から始まりました。外装は塗色が統一されており、内装にも様々な工夫が施されています。座席の素材は目立たないデジタル迷彩パターンが使用され、特に高齢者や妊婦などの方々に配慮したデザインが取り入れられました。

2016年には9000系車両のリニューアルが完了し、その後も8000系や10000系も同様にリニューアルされています。新たに加わった20000系は、営業運転開始後にグッドデザイン賞を受賞しました。

駅舎と制服

駅舎についてもグレーを基調としてレンガ調のデザインが取り入れられた改修が進められています。新しい制服は、相鉄社員の意見を反映し、水野学氏とスタイリストの伊賀大介氏によってデザインされました。

受賞歴

相模鉄道のデザインブランドアッププロジェクトは数々の評価を受けており、20000系車両や9000系のリニューアルがそれぞれグッドデザイン賞やローレル賞を受賞しています。このように、相模鉄道はデザインと機能性を融合させ、未来に向けたイノベーションを続けています。

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