YOU (テレビ番組)

番組『YOU』について

『YOU』は、1982年4月10日から1987年4月4日までNHK教育テレビジョンにて放送されていた若者向けのトーク番組です。この番組は、当時の若者たちの声を飛躍的に引き出し、視聴者の共感と人気を得るために作られました。放送は土曜日のプライムタイムから深夜にかけて行われ、視聴者とのインタラクティブな関わりが特徴でした。

制作背景

『YOU』が登場するまで、NHK教育テレビジョンの若者向け番組『若い広場』は視聴率が著しく低下し、若い世代からの反響が少ない状況が続いていました。このため当時の放送総局副総局長である川口幹夫氏は、若者番組の再生を求めました。これを受けて、有志が非公式の企画会議を開催し、スタジオで若者の真の声を引き出すという「スタジオドキュメント番組」のコンセプトを決定しました。

会議では、売れっ子コピーライターの糸井重里氏が司会に選ばれました。糸井氏は、ターゲット層を高校生に設定し、実際に約80人の若者を招いた明るい雰囲気のスタジオトークを展開することに成功しました。これにより、番組は放送開始から3ヶ月で多くの若者に浸透し、彼らに愛される存在となりました。

放送の形式

『YOU』は通常、東京のNHK放送センターで制作されていましたが、月1回は大阪放送局が制作を担い、時には名古屋や新潟といった他の地方局でも制作されることがありました。また、オープニングやエンディングの音楽は、著名な音楽家である坂本龍一氏が担当しました。司会が糸井重里氏の時は、大友克洋氏によるポップなイラストが流れ、視覚的にも楽しませていました。

番組の特色あるコーナー

『YOU』にはいくつかの人気コーナーがありました。その中でも特によく知られているのが「青春プレイバック」というコーナーです。これは番組の最後に毎回放送され、著名人が人生での重要な場所を女性司会者と共に訪れるというものでした。このコーナーでは、名女優の吉永小百合が17歳の時の思い出を語った回が特に話題となりました。

「誰でもミュージシャン 坂本龍一の音楽講座」は、坂本氏が音楽に関する質問に答える人気コーナーでした。視聴者からの音楽に関する疑問に対し、実験的な形式でセッションが展開され、坂本氏自身の演奏もありました。また、「YOU文化祭」という視聴者からの投書を基にした企画では、スタジオでさまざまな屋台が立ち並び、多くのゲストが登場する賑やかな様子が見られました。

司会者とその交代

『YOU』は初代司会者として糸井重里氏が務めましたが、1985年には三田寛子氏、さらに日比野克彦氏に交代しました。司会が変わるたびに番組の雰囲気も変わり、映像や演出も新しい風が吹き込まれました。

まとめ

『YOU』は若者の視点を大切にし、自由なトークを通じて多くの人々に影響を与えた重要な番組です。この番組をきっかけに多くの若者が自らの声を持ち、様々な文化や芸術に触れる場を得たのです。日本のテレビ番組史において、特筆すべき存在として語り継がれています。

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