Yak-40 (航空機)

Yak-40：ソ連が生んだ地域航空の翼

Yak-40（ヤーク・ソーラク）は、ソ連のヤコヴレフ設計局が開発した短距離用3発ジェット旅客機です。レシプロ機のLi-2などが就航していたローカル路線でのジェット化を目指し、1960年代後半に開発されました。

特徴

ボーイング727と同様に、3基のエンジンを機体後部に配置したリアジェット方式を採用しています。しかし、主翼は直線翼であるため、巡航速度はターボプロップ機と同程度にとどまります。その一方で、小型機ながらも優れた短距離離着陸（STOL）性能を備えており、地方の不整地空港での運用を可能にしています。機体後部には引き込み式のタラップが装備されており、ボーディングブリッジがない空港でも乗客の乗り降りが容易です。また、30席クラスの小型機であるため、燃費や騒音をあまり気にしない東側諸国を中心に、多くの航空会社で採用されました。生産終了までに、旅客型はおよそ800機、軍用型を含めると1000機以上が製造されています。

派生型

Yak-40には、以下のような派生型が存在します。

Yak-40: 基本型
Yak-40EC: 詳細不明
Yak-40M: 詳細不明
Yak-40TL: 詳細不明

派生型の中には、詳細が不明なものも存在します。

また、Yak-40を大型化し、ほぼ新設計となったYak-42も開発されています。

西側諸国での展開

西側諸国では、ソ連製の航空機が運用されることは珍しいのですが、Yak-40を運用した航空会社も存在しました。また、1978年には、アメリカのICXエビエーションがソ連の輸出公社「Aviaexport」と提携し、西側の電子機器とエンジンを搭載した改良型「X-Avia LC-3」をライセンス生産する計画がありました。しかし、この計画は実現には至りませんでした。

日本での就航

日本の航空会社がYak-40を運用したことはありません。しかし、ロシアのウラジオストク航空が、富山 - ウラジオストク線に20席仕様のYak-40を就航させていました。この路線は、日本の国際航空路線で使用された最小のジェット旅客機でしたが、2010年12月24日をもって運休となりました。

運用国

Yak-40は、東側諸国を中心に多くの国で運用されました。軍用機としては、マダガスカル空軍が2機を保有しています。

関連情報

Yak-42: Yak-40を大型化した派生型。
ボーイング727: Yak-40と同様に、3発のリアジェットエンジンを搭載した航空機。
* ホーカー・シドレー トライデント: イギリス製の3発ジェット旅客機。

外部リンク

ヤコブレフ公式サイト

まとめ

Yak-40は、短距離路線でのジェット化を推し進めたソ連の意欲的な航空機でした。その優れたSTOL性能と小型サイズは、地方の不整地空港への乗り入れを可能にし、東側諸国を中心に広く運用されました。現在ではその姿を見かける機会は少なくなりましたが、地域航空の歴史において重要な役割を果たした航空機として、その名を残しています。

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