YouTube スペースラボ

YouTubeスペースラボ - 青少年による宇宙実験設計コンテスト

YouTubeスペースラボは、2011年から2012年にかけて行われた国際的な科学コンテストで、アメリカ航空宇宙局 (NASA)、欧州宇宙機関 (ESA)、および日本の宇宙航空研究開発機構 (JAXA) と提携して実施されました。このプログラムは、YouTubeとテクノロジー企業レノボの協力により実現しました。コンペティションは、世界中の14歳から18歳の若者達に向けられ、自らのアイデアをもとに、国際宇宙ステーション (ISS) で行う実験を設計することを目的としています。

このコンクールは、Googleのザハーン・バルマルによって設立され、科学や宇宙への興味を引き出すことを狙いとしていました。参加者は、自分の実験案を提出し、各自のアイデアがどのように微小重力環境で成り立つかを考案しました。これにより、若者たちは科学の探求心を養いながら、より広い視野を持つ機会を得ることができました。

コンペティションの発表と進行

2011年10月10日に公表されたこのコンペティションは、応募者に対して微小重力実験の設計を課題とし、2011年の12月初旬まで応募を受け付けました。2012年の1月17日には、応募総数の中から60組のファイナリストが選ばれ、15万人以上のYouTubeユーザーがそれぞれの実験案に投票を行うことができました。この投票は地域ごとに行われ、コンペティションには、高名な審査員たちが参加しました。審査員の中には、スティーブン・ホーキングや宇宙飛行士の星出彰彦が名を連ねており、彼らの意見が選考に影響を与えることとなりました。ただし、スティーブン・ホーキングは健康上の問題により、完全には参加できず、代わりに彼の同僚が審査を行いました。

地域受賞者の発表

2012年2月22日には、地域優勝チームが発表されました。受賞者はYouTubeコミュニティと審査員の票によって選ばれました。特に、ワシントンDCに集まった9人の競技者たちは、「嘔吐彗星」というテーマで無重力体験を行い、スティーブンFウドバーヘイジーセンターも訪れました。彼らは3月22日に授賞式に出席し、ドロシー・チェンとサラ・マの細菌実験、およびアムル・モハメッドの跳躍スパイダー実験が優秀な実験として評価されました。

コロラド大学ボルダー校のバイオサーブ宇宙工学では、受賞者のアイデアを基に2つの実験がスタートしました。ドロシーとサラは日本の種子島宇宙センターへ赴き、彼女たちの実験を宇宙に打ち上げる瞬間を見守りました。一方で、アムルはロシアのスターシティで宇宙飛行士訓練を選択しました。

実験結果とライブストリーム

2012年9月13日、ビル・ナイは宇宙飛行士のスニータ・ウィリアムズと、グローバル優勝者たちとをつなぐライブインタビューを実施しました。スニータは、ISSで行った実験の初期結果を発表し、ドロシーとサラの実験が微小重力下での細菌の成長に関するもので、高い成長の兆候が見られたことを報告しました。しかし、これらの標本はさらなる分析のため地球に戻ることとなりました。

アムルの実験はハエトリグモの捕食行動に関するものであり、新たに名付けられたクモ「ネフェルティティ」が、微小重力環境で獲物を捕まえる様子が成功したとの結果が発表されました。最終的にネフェルティティは2012年11月30日に地球に戻り、ワシントンDCの国立自然史博物館に展示されることになりました。

このようにして、YouTubeスペースラボは、若者たちの創造力を宇宙に結びつけ、新たな科学的探求の舞台を提供したのです。

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