Young Love

アルバム『Young Love』について

『Young Love』（ヤング・ラヴ）は、サザンオールスターズの12作目にあたるオリジナルアルバムです。このアルバムは1996年7月20日にCDおよびカセットテープとしてリリースされ、その後アナログ盤、MD（ミニディスク）としても販売されました。また、2008年にはリマスタリング版のCDが再発売され、2014年からはデジタルダウンロード、2019年にはストリーミング配信も開始されています。皆さんもご存知のように、タイシタレーベルから発売されたこのアルバムは、サザンオールスターズの新たな試みを象徴する作品となっています。

アルバムの背景

この作品の制作においては、前作『世に万葉の花が咲くなり』まで関与していた音楽プロデューサーの小林武史が関わらず、メンバー自身が多くの楽曲のプロデュースを手掛けています。『Young Love』は、1960年代から1970年代のロックを意識した作品であり、サザンオールスターズの音楽的な原点に立ち返ることをテーマにしたアルバムです。シングルとしては、「あなただけを 〜Summer Heartbreak〜」「愛の言霊 〜Spiritual Message〜」、そして「太陽は罪な奴」が収録されていますが、先行リリースされた「マンピーのG★SPOT」はアルバムのコンセプトとは異なるため収録されていません。

リリース情報

1996年7月20日のリリース日は、国民の祝日である海の日にあたることが特徴的です。この日に土曜日として発売されたことで、多くのファンに受け入れられました。さらに本作では、CD、カセット、アナログ盤、MDという4つのフォーマットで同時発売が行われました。特にアナログ盤は前作では制作されていなかったため、ファンにとっては待望のリリースだったと言えます。

アートワークとジャケットデザイン

アルバムのジャケットデザインは信藤三雄が担当し、メンバーの全員の写真が使われています。実に17年ぶりの試みであり、メンバーはそれぞれ、1960年代から1970年代の洋楽ロックジャケットのパロディをしています。桑田佳祐はボブ・ディラン、原由子はイッツ・ア・ビューティフル・デイを模倣するなど、多様な影響を見ることができます。さらに、ジャケットにある空を飛ぶ飛行船は、レッド・ツェッペリンの作品へのオマージュです。

チャートとセールス

発売から2週目にはオリコンチャートでミリオンセラーとなり、最終的には249.4万枚の売上を記録しました。この結果、サザンオールスターズとして初めてのダブルミリオンを達成し、オリジナルアルバムでは最大のセールスを誇る作品となりました。

収録された楽曲について

収録曲はすべて桑田佳祐の作曲であり、各楽曲には独特のテーマやスタイルが見られます。特に「胸いっぱいの愛と情熱をあなたへ」ではレッド・ツェッペリンの影響を受け、アコースティックなバラード曲「ドラマで始まる恋なのに」は日本語の歌詞で構成されています。また、タイトル曲「Young Love」では、初期のビートルズのスタイルが意識されています。

続く「汚れた台所」はボブ・ディランの要素を持ち、社会問題を歌ったロックナンバーです。全体として、『Young Love』はサザンオールスターズの音楽的探求とともに、彼らの音楽的なルーツを再確認する作品となっていることが特徴です。

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