Z-9 (航空機)

Z-9ヘリコプター概説

Z-9（Zhisheng-9）は、中国のハルビン飛行機製造公司がフランスのユーロコプターAS 365N ドーファンIIのライセンスを受けて生産した汎用ヘリコプターです。この機体は、特に中国人民解放軍が主に使用する軍用ヘリコプターとして知られ、NATOのコードネームは「ハイトゥン」に由来しています。

バリエーション

Z-9には多くの派生型があり、それぞれ異なる機能と能力を持っています。以下に代表的な派生型を紹介します。

Z-9

フランス製のAS 365N1 ドーファンIIのライセンス生産型です。

Z-9A

AS 365N2の改良型であり、性能が向上しています。

Z-9A-100

国内専用で、WZ8Aエンジンを搭載したプロトタイプです。1992年に初飛行し、その年の末に導入が承認されました。

Z-9B

Z-9A-100をベースにした汎用型で、多目的に利用されます。

Z-9C

AS 565パンサーをライセンス生産し、対潜ヘリコプターとして改良されています。中国人民解放軍海軍航空隊に配備されており、XバンドのKLC-1水上捜索レーダーを装備。これにより、対象を母艦に転送し、艦対艦ミサイルの観測任務も行うことが可能です。この機体はYu-7短魚雷を最大2発搭載できる能力を持っています。

Z-9D

2008年に初めて確認されたZ-9の派生型で、H-425ヘリコプターを基に作られています。アリエル2Cターボシャフトエンジンを装備し、Z-9Cよりも高い性能を誇ります。KLC-3B空中捜索レーダーを搭載し、遠距離から艦船や小型ボートを探知することができます。武装はYu-7K短魚雷やYJ-9空対艦ミサイルを運ぶことが可能で、特に敵ミサイル艇に対して接近を阻止する役割を持っています。

WZ-9/Z-9W

中国初の攻撃ヘリコプターで、輸出型はZ-9Gです。

Z-19

攻撃ヘリコプターとしてWZ-9を元に設計されました。

仕様（Z-9B）

• - 乗員: 2名
• - 定員: 武装兵士10名
• - ペイロード: 4,493lb（2,038kg）
• - 全長: 44ft 11in（13.46m）
• - 全高: 11ft 4in（3.47m）
• - 空虚重量: 4,519lb（2,050kg）
• - 最大離陸重量: 9,038lb（4,100kg）

性能

• - 最大速度: 170kt（315km/h）
• - 巡航速度: 150kt（285km/h）
• - 航続距離: 621mi（1,000km）
• - 実用上昇限度: 20,000ft（6,000m）

武装

• - 固定武装: 23mm機関砲×2
• - ミサイル: HJ-8対戦車ミサイルまたはTY-90空対空ミサイル

運用国

Z-9は中国をはじめ、カーボベルデ、パキスタン、バングラデシュ、ラオス、カンボジア、ナミビア、モーリタニアなど、多くの国で使用されています。特にパキスタン海軍ではZ-9Cが24機運用されています。

ゲームへの登場

Z-9は多くのゲーム作品にも登場しており、『バトルフィールドシリーズ』では、中国軍の輸送ヘリとして位置付けられています。

このように、Z-9は汎用性と性能に優れたヘリコプターとして、軍事用途で幅広い運用が行われている重要な機体です。

もう一度検索