ZIM

ZIM Integrated Shipping Services Ltd.：世界を繋ぐイスラエルの海運巨人

ZIM Integrated Shipping Services Ltd.（以下、ZIM）は、イスラエル・ハイファに本社を置くグローバルな海運会社です。北米、極東地域にも統括本社を置き、世界170カ所以上に拠点を展開。約4200名の従業員が、180港以上、70以上の航路を網羅するサービスを提供しています。大型コンテナ船など90隻からなる近代的な船隊を保有し、アジア発北米東岸、カリブ海地域、黒海、アフリカ航路などに強みを持っています。特に中国市場を重視し、同国に20カ所以上の拠点と数百名の職員を配置しています。

強力なグローバルネットワークと歴史

ZIMの社名は、旧約聖書ヘブライ語の「大商船団」を意味する言葉に由来します。1945年の創業以来、当初はユダヤ人移民の輸送に貢献。その後、旅客輸送から撤退し、貨物輸送に特化しました。1970年代にはコンテナ輸送にいち早く取り組み、世界的なコンテナリゼーションの流れを先導しました。1972年にはZIM Container Service (ZCS)を設立し、極東、東南アジア、米州、欧州を結ぶ航路を確立。その後もタンカー部門への進出や、最新鋭コンテナ船の建造などを経て、世界トップクラスの船会社へと成長を遂げました。2004年には民営化が完了し、現在ではイスラエル最大の投資会社であるKenon Holdingsが主要株主となっています。

技術革新と環境への取り組み

ZIMは、常に技術革新に積極的に取り組んでいます。近年ではITシステムに多大な投資を行い、ブロックチェーン技術を活用したペーパーレス船荷証券（B/L）システムなどを導入。効率化と環境負荷軽減に貢献しています。また、2013年からは環境性能向上のため、The Clean Cargo Working Group (CCWG)に加盟。同グループ加盟船社の中で最も低い硫黄酸化物排出量を達成しています。

日本における事業展開

日本においては、1958年にゴールドマリタイム株式会社がZIMの代理店として設立されました。その後、合弁会社を経て、2007年にはZIM Integrated Shipping Services Ltd.の完全子会社であるZIMジャパン株式会社が設立されました。ZIMジャパンは、ZIM本体およびGold Star Line Ltd.（GSL）の総代理店として、日本発着のコンテナ輸送サービスを提供しています。近年では、タイや中国などを含む三国間貿易にも力を入れています。また、日本発イスラエル向けには自動車・トラック専用船も運航しています。

独立性を保つ戦略

ZIMは、多くのコンテナ定期船会社が加盟する海運アライアンスには参加せず、独立性を維持する独自の戦略を取っています。この戦略によって、柔軟なサービス提供や顧客ニーズへの迅速な対応が可能になっています。

結論

ZIMは、70年以上の歴史を持つ老舗海運会社でありながら、常に変化を恐れず、技術革新と環境への配慮を重視することで、グローバルな競争の中で成長を続けています。今後も、世界的な海運業界において重要な役割を果たしていくことが期待されます。

補足：本稿の情報は公開されている情報に基づいて作成されており、将来的な変化や詳細については必ずしも網羅しているわけではありません。最新の動向については、ZIMの公式ウェブサイトなどを参照ください。

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