ZPS (レーダー)

ZPS（潜水艦用レーダー）

ZPSは、日本の海上自衛隊が採用した潜水艦向けのレーダーシステムの制式符号です。このレーダーは、潜水艦の運用を支援し、各種の哨戒任務および航法を可能にするために設計されています。ここでは、ZPSの異なる型式や搭載艦について詳述します。

設計の概要

ZPSシリーズの初めての国産機はZPS-1です。ZPS-1は試作機として開発され、その後のZPS-2が量産機として採用されました。これに続くZPS-3、ZPS-4、ZPS-5、およびZPS-6といったバリエーションは、各潜水艦モデルに適合する形で進化し続けています。

ZPS-1とZPS-2

ZPS-1は、おやしお型潜水艦（31SS）に搭載され、一部の機能が試験されました。これに続くZPS-2は、はやしお型潜水艦（34SSK）やなつしお型潜水艦（35SSK）、おおしお型潜水艦（36SS）に採用され、より高度な機能を持つものに改良されています。

ZPS-3

ZPS-3は哨戒と航法両方の機能を持つレーダーで、以下のような構成となっています:

• - N-AS-51/ZPS-3 潜望鏡空中線: 潜望鏡に組み込まれ、主に哨戒に使用される。
• - N-AS-52/ZPS-3 空中線: セイル上に配置され、浮上時やスノーケル状態で運用可能。
• - N-RT-37/ZPS-3 送受信機: マグネトロンを使用したレーダー送信機。
• - N-IP-44/ZPS-3 指示機: PPIスコープとA/Bスクリーンを備えており、操縦をサポートします。

ZPS-3は主にあさしお型潜水艦（38SS）に搭載されています。

ZPS-4

航法専用のレーダーであるZPS-4は、哨戒用のZPS-5と連携して使用されます。本機はレーダー・マストに装備され、送受信部とアンテナが配置されています。冗長性の向上を図るために、マグネトロンを3つ搭載しています。搭載艦は、うずしお型潜水艦（42SS）が該当します。

ZPS-5

ZPS-5は主に哨戒任務に使用されるレーダーです。航法用のZPS-4やZPS-6と連携して運用されることが多く、その空中線部はN-AS-116Bに指定されています。送受信機は潜望鏡内に配置され、導波管を通じてアンテナに電力を供給します。

ZPS-6

ZPS-6は、ZPS-4の開発に基づいて作られた航法用レーダーで、昭和55年度から運用され始めました。この型式は、レーダー・マストに装備され、ZPS-5と統合して機能します。搭載艦には、ゆうしお型潜水艦（50SS）やはるしお型潜水艦（61SS）、おやしお型潜水艦（05SS）、そうりゅう型潜水艦（16SS）、たいげい型潜水艦（29SS）が含まれます。

結論

ZPSレーダーシリーズは、日本の海上自衛隊の潜水艦作戦能力を支える重要な技術であり、その設計は各型式ごとに進化しています。これにより、潜水艦はより効果的に哨戒や航法任務を遂行できるようになっています。

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