ZTE

中興通訊（ZTE Corporation）について

中興通訊（Zhōngxīng tōngxùn）は、1985年に設立された中国・深圳市に本社を置く通信機器および通信端末の開発・生産企業です。設立当初は「深圳市中兴半导体有限公司」としてスタートし、その後すぐに多様な通信製品を手がけるようになり、携帯電話網設備や無線製品、さらにはGSM、PHS、3Gなどのネットワークプロダクトの開発を行ってきました。

会社の沿革

中興通訊は1980年代に、ファーウェイ、巨龍、大唐と並び称される四大通信メーカーの一つとして知られていました。1997年には深圳証券取引所、2004年には香港証券取引所に上場を果たし、その後、急速な成長を遂げています。2008年には売上高443億元（約65億ドル）、利益16億6000万元（約2億4300万ドル）に達しました。幅広いR&D施設を持ち、全球14カ所で研究開発を展開していることから、その革新力が伺えます。

スマートフォン市場における存在感

中興通訊は、過去には160カ国以上でスマートフォンを展開しており、特にアメリカ市場でも4位、スペインとロシアではそれぞれ2位のシェアを有していました。しかし、アメリカを中心とした制裁や、法的トラブルにより近年は厳しい状況が続いています。特に、イランと北朝鮮に対する米国製通信機器の違法輸出が問題視され、アメリカ商務省のエンティティリストにも名を連ねる事態となりました。

政府との対立

中興通訊はオバマ政権下で監視対象となり、以降、トランプ政権でも大規模な制裁を受けました。特に2016年には、不正輸出に関する問題で罰金を科され、その後もアメリカ企業との取引制限が続きました。その影響で、世界各国での事業規模の縮小が余儀なくされました。また、イギリスやオーストラリアでも、国家安全保障上の理由から同社の通信機器の使用が制限されるなど、影響が拡大しています。

日本市場への進出

中興通訊は2005年に日本事務所を設立し、2008年にはZTEジャパン株式会社を設立しました。日本市場においては、ソフトバンクやauといった通信会社向けに多くの端末供給を行っています。しかし、国際的なトラブルの影響で成長が鈍化し、2017年頃からは縮小を余儀なくされました。2023年には新たに5G対応スマートフォンを日本市場に展開する計画を発表し、再度の拡大を目指しています。

今後の展望

ZTEは今後も通信インフラ事業へも注力する意向を示しており、日本市場でのシェア拡大を目指しています。ただし、米国の制裁や他国での規制を乗り越えるためには、透明性の確保と信頼回復が急務となるでしょう。今後の動向が注目されます。

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