Ziff Davis

Ziff Davis Inc.について

Ziff Davis Inc.（ZD）は、アメリカ合衆国を拠点にしたインターネットコンテンツの提供企業で、1990年代以降、頻繁に事業の売却を行っています。このため、「Ziff Davis」の名を冠する企業が複数存在し、混同を避けるためには関係をよく理解することが必要です。

沿革

Ziff Davisは、1927年にシカゴでWilliam B. Ziff Sr.とBernard G. Davisによって設立されました。当初は愛好者向けの出版を中心に、自動車や写真、エレクトロニクスといった高価な趣味に焦点を当てていました。1984年、同社の消費者向け雑誌の多くがCBSに、業界誌はニューズ・コーポレーションに売却され、以降はコンピュータおよび技術に特化した出版社へと舵を切ります。この変化により、ZDNetなどの関連ウェブサイトも立ち上げられました。

1970年代半ば以降、Ziff Davisは複数の放送局（例えば「WRDW-TV」「WEYI-TV」「WROC-TV」など）を所有しており、1998年には独自のテレビチャンネル「ZDTV」を設立しました。しかしこのテレビ部門は、2000年にバルカン・ベンチャーズに売却され、その後「TechTV」と改名されました。

1995年、ソフトバンクがZiff Davisを買収し、その傘下に置きました。1998年にはニューヨーク証券取引所に上場しましたが、翌年に出版部門を切り離して売却し、2000年にはテレビ部門を売却。7月には、当時ZDNetを運営していたネットメディア部門がCNETに統合されるという動きがありました。2008年にはCNETがCBSコーポレーション（後のバイアコムCBS）に買収され、その一部としてCBSインタラクティブに組み込まれました。2020年には、レッド・ベンチャーズがCNETメディアグループを買収し、2022年には「ZDNet」のブランドもレッド・ベンチャーズが保有しました。日本では朝日新聞社傘下の朝日インタラクティブが管理しています。

一方で、出版部門はWillis Stein & Partnersに買収され、「Ziff Davis Media」という名称で事業を行いましたが、業績の低下に直面しました。2007年にはエンタープライズ部門が売却され、生き残りを図るも、2008年3月5日に連邦倒産法第11章の適用を受け、事実上倒産しました。その後、2010年にボストンの投資会社Great Hill Partnersに買収され、2012年にはクラウドサービスを手掛けるJ2 Globalに再び売却されます。

さらに、2013年にはIGNの買収を発表し、自社の操業を拡大しました。2017年11月には、オンラインメディア企業のマッシャブルを5000万ドルで手に入れ、2021年10月にJ2 GlobalがConsensus Cloud Solutions, Inc.をスピンオフし、再び「Ziff Davis, Inc.」と社名を更新しました。

2007年に売却されたエンタープライズ部門は「Ziff Davis Enterprise」と改称され、「Linuxdevices.com」や「Desktoplinux.com」などを運営していましたが、2012年にQuinStreetに買収され、多くのサイトが閉鎖の憂き目に遭いました。2020年5月には、旧エンタープライズ部門がTechnologyAdviceに譲渡され、これによりZiff Davisのメディアポートフォリオが更新されています。

所有メディア

現在、Ziff Davisが管理しているメディアには以下が含まれます：

• - Mashable
• - PC Magazine
• - ExtremeTech
• - Downdetector
• - RetailMeNot
• - BlackFriday.com
• - BestBlackFriday.com
• - TheBlackFriday.com
• - Offers.com
• - AskMen
• - IGN
• - Humble Bundle
• - EverydayHealth
• - Toolbox.com

旧メディア

廃止されたメディアには、ポピュラーエレクトロニクスや1UP.com、Geek.comなどがあります。

Ziff Davisはその長い歴史において、多くの変遷と多様なメディアブランドを抱えており、今後の展開にも期待が寄せられます。

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