/e/ (オペレーティングシステム)

/e/ (旧称 Eelo) の紹介

/e/は、Androidに対応したフリー・オープンソースのオペレーティングシステムで、特にプライバシー保護に重点を置いた設計が施されています。このオペレーティングシステムは、LineageOSから派生したもので、E Foundationによって開発されています。元々は「Eelo」という名前でスタートしましたが、著作権上の理由から「/e/」に改名されました。

背景

2017年、創設者のガエル・デュバルは、AppleやGoogleの影響を受けないプライバシー保護のためのソフトウェアの実現を目指し、「Leaving Apple & Google: my /e/ odyssey」という記事を発表しました。この活動は、Kickstarterを通じたクラウドファンディングによって広く知られるようになりました。デュバルは、プライバシーが脅かされることのないオペレーティングシステムを構想し、プロジェクトの実現に向けて取り組みました。

開発の進行

2018年9月には、最初のベータ版が公開され、その後も様々なバージョンアップが行われました。最初のベータ版はLineageOS 14.1を基に開発され、GitLab上でソースコードが公開されました。その後、2018年11月21日には、LineageOS 15.1を基にした2つ目のベータ版が発表されるなど、段階的に進化していきました。

プリインストールアプリ

このオペレーティングシステムには、以下のアプリが最初からインストールされています：

• - Calendar: 日々の予定を管理できるカレンダーアプリ。
• - Calculator: 簡易計算ができる計算機。
• - Clock: アラームやタイマー機能付きの時計アプリ。
• - Contacts: 連絡先情報を管理するアプリ。
• - File manager: デバイス上のファイルを管理。
• - Gallery: 写真や動画を簡単に表示・管理。
• - Mail: eメールの送受信アプリ。
• - Maps: 代替の地図アプリ。
• - Notes: メモ帳アプリ。
• - Tasks: タスクを管理できるアプリ。
• - Telegram: メッセージングアプリ。
• - Browser: ウェブブラウザ。
• - Weather: 天気予報を表示。
• - Recorder: 録音機能。
• - Light: 懐中電灯機能。
• - Phone: 電話をかけるためのアプリ。
• - Messaging: メッセージングアプリ。

通常、AndroidデバイスにはGoogleのアプリがプリインストールされていますが、/e/にはこれらは含まれていません。

独自機能

/e/はLineageOSには存在しないいくつかの独自機能を提供しています。これには、簡単に設定できるオンラインサービスへのアクセスを提供するセットアップ機能や、ユーザーインターフェースを自由にカスタマイズできる設定項目があります。また、Searxから派生した検索エンジンや、Googleのライブラリのオープンソース版であるmicroGをプリコンフィギュレーションする機能もあります。

対応端末

2021年の時点で、/e/は158種類の端末に対応しています。これには、Essential PhoneやFairphone、Samsung、Xiaomiなどのメーカーが含まれています。

コミュニティとサポート

/e/は活発なユーザーコミュニティを有し、サポートやユーザー間の交流にはTelegramのチャンネルやディスカッションフォーラムが利用されています。これにより、1,000人以上のユーザーが日常的に情報を共有し、助け合っています。

まとめ

プライバシー重視のオープンソースオペレーティングシステムとしての特色を持つ/e/は、技術愛好者やプライバシーを気にするユーザーにとって、魅力的な選択肢であると言えるでしょう。これからの進化にも注目が集まります。

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