I-dle

i-dle(アイドゥル)



韓国の音楽事務所CUBEエンターテインメントに所属する5人組ガールズグループ、i-dle。メンバーは韓国、タイ、中国台湾出身の多国籍構成で、ソヨンミヨンミンニ、ウギ、シュファの5名で活動しています。2018年5月2日にミニアルバム『I am』で鮮烈なデビューを飾り、瞬く間に注目を集めました。グループは当初(G)I-DLE(ジー・アイドゥル)として知られていましたが、2025年5月1日に現在の「i-dle」へ名称を変更しました。公式ファンクラブ名は「Neverland(ネバーランド)」です。

グループ名の変遷とその意味



活動開始時のグループ名「(G)I-DLE」に含まれていた「G」は「Girl」、すなわち「少女」を意味しており、個性を確立した少女たちが集結したグループであることを示していました。2025年の「i-dle」への改名は、この「G」を取り除くことで、性別やジェンダーといった従来の枠にとらわれない存在としての新たなアイデンティティを再構築する意志を表明しています。また、旧名にあった強調や区別の意味合いを持つ丸括弧「( )」を排除したことは、より自由で無限の可能性を追求するグループとしての再出発を象徴しています。

音楽性とセルフプロデュース



i-dleの最大の強みは、リーダーのソヨンを中心としたメンバー自身による楽曲制作、いわゆる「セルフプロデュース」にあります。ソヨンは多くの楽曲で作詞、作曲、編曲を手掛け、2022年からは総括プロデューサーとしてもグループの音楽世界を牽引しています。ミンニやウギも多数の楽曲制作に参加しており、メンバー全員が作詞や作曲にクレジットされたアルバムも発表されるなど、高い音楽的才能を発揮しています。彼女たちが創り出すユニークなコンセプトや音楽性は、音楽業界や評論家から高く評価されており、特に力強く自立した女性像を描く「ガールクラッシュ」に近い側面を持ちながらも、独自のスタイルを確立しています。「TOMBOY」はその代表的な楽曲の一つです。彼女たちの音楽は特に女性リスナーからの支持が厚く、他の女性アーティストにも影響を与えています。

輝かしい来歴



i-dleはデビュー直後から目覚ましい活躍を見せました。デビューミニアルバム『I am』のタイトル曲「LATATA」で音楽番組1位をわずか20日で獲得し、3冠を達成。その後もデジタルシングル「HANN (Alone)」、「Uh-Oh」などでヒットを飛ばしました。2019年には日本でのデビューも果たしています。Mnetの人気番組『QUEENDOM』への出演を通じて更にその存在感を高め、番組内で披露した「LION」は大きな反響を呼びました。2020年には新型コロナウイルスの影響で初のワールドツアーが延期・オンライン開催となりましたが、3rdミニアルバム『I trust』は世界的な成功を収め、K-POPガールズグループとして新たな記録を樹立しました。

2021年にはメンバーのスジンが脱退し、グループは一時的に活動休止期間を経験しましたが、2022年に5人体制でリリースした1stアルバム『I NEVER DIE』のタイトル曲「TOMBOY」が大ヒットし、以前にも増して人気を確固たるものにしました。同年のワールドツアーも成功を収め、続く5thミニアルバム『I love』、6thミニアルバム『I feel』も連続で大ヒットを記録しました。『I feel』は初動販売枚数でミリオンセラーを達成し、タイトル曲「Queencard」は主要音楽チャートでパーフェクトオールキルを達成、音楽番組では13冠という快挙を成し遂げました。2023年には初の英語EPとなるスペシャルアルバム『HEAT』をリリースし、米ビルボードチャートにもランクイン。2024年には2ndアルバム『2』を発表し、収録曲「Fate」がチャート逆走で再び注目を浴びました。また、この年にはメンバー全員が所属事務所CUBEエンターテインメントとの再契約を発表し、今後の活動への期待を高めました。2025年には日本の大型音楽フェスティバルへのヘッドライナー出演や、地上波テレビ番組への生出演を果たすなど、日本での活動も積極的に行っています。

ファンとの絆



ファンクラブ名「Neverland」は、ピーター・パンに登場する架空の島に由来しており、「アーティストがファンと共に永遠に存在する場所」という意味が込められています。i-dleはファンを「ネボボ」と親しみを込めて呼び、強い絆を築いています。

i-dleは、デビューからわずか数年で驚異的な成長を遂げ、特にアルバム初動売上はデビュー時の約2千枚からミリオンセラーへと飛躍的に増加しました。既存のガールズグループ像にとらわれず、常に新しい挑戦を続けるi-dleは、今後のK-POPシーンにおいてもその動向が注目される存在です。


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