Katharsis

katharsis（カタルシス）

「katharsis」は、日本のロックバンド・凛として時雨のギター・ボーカルであるTKによるソロプロジェクト、「TK from 凛として時雨」名義でリリースされた3枚目のCDシングルです。2018年11月21日にソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズから発売されました。

アニメ『東京喰種:re』最終章を飾るオープニングテーマ

このシングルの表題曲「katharsis」は、人気テレビアニメシリーズ『東京喰種トーキョーグール:re』の完結となる最終章のために、TKが書き下ろした楽曲です。TKが『東京喰種』シリーズのテレビアニメ主題歌を担当するのは、その代表曲として知られる「unravel」以来、約4年4ヶ月ぶりとなりました。この再タッグは大きな話題を呼び、アニメの物語の結末に向けて期待感を高める役割も果たしました。TK本人も、この楽曲制作にあたって作品への特別な思いをコメントとして寄せています。

楽曲を支える参加ミュージシャン

「katharsis」のレコーディングには、TKのソロワークを支える実力派ミュージシャンが集結しました。ベーシストの吉田一郎不可触世界、ドラマーのBOBOといった盤石のリズム隊に加え、ピアニストの世武裕子、ヴァイオリニストの佐藤帆乃佳、チェリストの村中俊之らが参加。彼らの演奏が、楽曲の持つ繊細さと力強さ、そして独特の空気感を創り上げています。特にストリングスやピアノの導入は、楽曲にクラシック的な要素と叙情性を加えています。

リリースに至る経緯

シングルの情報は段階的に解禁されました。2018年9月9日には、『東京喰種トーキョーグール:re』のキャストイベントにて、本楽曲が最終章のオープニングテーマとなることが発表されました。翌9月10日には、アニメのプロモーション映像を通じて楽曲の一部音源が初公開され、大きな反響を呼びました。そして、同年10月9日に3rdシングル「katharsis」としてリリースされることが正式に告知されました。

CD収録内容と特典

CDシングルには、表題曲「katharsis」のフルサイズ版、アニメ放送で使用されたオープニングサイズ版、そしてインストゥルメンタル版が収録されました。さらに、カップリングとして新曲「memento」が収められています。「memento」のレコーディングには、「katharsis」参加メンバーに加え、ヴィオラ奏者の菊地幹代も参加しています。

初回生産限定盤は特別な仕様で、2017年10月14日にビルボードライブ東京で行われたアコースティックライブ「Acoustique Electrick Session」からのライブ音源が追加収録されました。また、『東京喰種』シリーズ原作者である漫画家・石田スイ氏がこのシングルのために描き下ろしたイラストを用いたスリーブケースが付属するという、ファンにとって非常に価値の高いアイテムとなっています。

先行デジタル配信

CDリリースに先行し、デジタル配信も展開されました。2018年10月10日のアニメ初回放送終了直後の午前0時より、表題曲「katharsis」のフルサイズ版ダウンロード配信と、アニメサイズ版のダウンロード・サブスクリプション配信がスタート。CD発売と同日である11月21日からは、フルサイズ版のサブスクリプション配信も主要プラットフォームで開始され、幅広いリスナーが楽曲に触れる機会を得ました。

音楽評論家による評価

「katharsis」は、その芸術性の高さから音楽評論家からも称賛されました。カルチャーライターのふじもとは、この楽曲を「怪作」と形容し、「ピアノと弦楽器が織り成す淑やかな世界と、TK特有の切り裂くようなギターを軸としたバンドサウンドが融合し、独特の暗然たるサウンドスケープを生み出す」とその特徴を分析しています。この評価は、楽曲が持つ静と動、美しさと歪みが同居するTKらしい音楽世界が、アニメのシリアスなテーマ性と見事に呼応していることを示唆します。

ミュージックビデオ

表題曲「katharsis」のミュージックビデオは、CDリリース日と同日の2018年11月21日にYouTubeにて公開されました。この映像は、気鋭のクリエイティブエージェンシーmaxillaが監督を務め、楽曲の持つ内省的でダークな雰囲気と、TKのパフォーマンスが印象的に捉えられています。

「katharsis」は、『東京喰種』シリーズとの強力な結びつきを持ちながらも、TK from 凛として時雨としての音楽的探求と深化を示す作品であり、その唯一無二のサウンドは多くのリスナーに強い印象を与えました。

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