あっけにとられた時のうた

「あっけにとられた時のうた」は、1996年6月26日にリリースされた、日本のバンド・たまの楽曲です。同バンドにとって11枚目のシングルとなり、パイオニアLDC（現・ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントジャパン）から発売されました。

この曲は、たまにとって大きな転換期となる作品でした。彼らはかつて、若手バンドの登竜門として知られたTBS系音楽番組『平成名物TV・三宅裕司のいかすバンド天国』で14代目イカ天キングに輝き、大きな注目を集めました。しかし、その後一度メジャーシーンから離れ、インディーズのプライベートレーベル「地球レコード」を経て、本作で再びメジャーシーンに復帰を果たしたのです。また、前年にキーボードの柳原陽一郎さんが脱退したため、本作は3人編成になってからの最初の作品でもあります。

「あっけにとられた時のうた」は、フジテレビ系アニメ『ちびまる子ちゃん』のエンディングテーマとして制作されました。作詞は、アニメの原作者であり、たまのメンバーとも親交の深かったさくらももこ氏が担当しています。独特のユーモラスな歌詞は、さくらももこ氏の世界観を色濃く反映したもので、聴く者に親しみやすさと懐かしさを感じさせます。曲中には野口さんの笑い声「クックックック」が挿入されていますが、これはTVサイズ版ではさくらももこ氏本人が、CDやライブではたまのメンバーである滝本晃司さんが担当しています。

このシングルは、たまにとって最後の8cmシングルCDであり、メジャーレーベルから発売された最後のシングルという、二度とない記念碑的な作品となりました。その後、長らく入手困難な状況が続いていましたが、2024年4月20日、ローソンエンタテインメントのHMV record shopレーベルより、2024 RECORD STORE DAY限定盤として7インチシングルレコードで再発売されました。ジャケットはオリジナルCDシングルのデザインを一部使用しており、B面にはカップリング曲の「あるぴの」の代わりに「あっけにとられた時のうた（オリジナル・カラオケ）」が収録されています。これは、ジャケットデザインと収録内容の変更によって生じた、再発売盤ならではの興味深い点と言えるでしょう。

シングルには、表題曲の他に「あるぴの」と「あっけにとられた時のうた（オリジナル・カラオケ）」が収録されています。「あるぴの」は、知久寿焼氏作詞・作曲によるカップリング曲で、「あるぴの」とはウーパールーパー（アルビノ）の名前だそうです。この曲は、表題曲とは異なる雰囲気を持つ、たまの音楽性の多様性を示す一曲となっています。

「あっけにとられた時のうた」は、さくらももこ氏の独特な感性と、たまの音楽性の融合によって生まれた、多くのリスナーに愛され続ける名曲です。その独特のメロディーと歌詞は、時代を超えて人々の心に響き続け、たまの代表曲として、長く記憶に残る作品となっています。再発売された7インチレコードは、多くのファンにとって、この名曲を改めて楽しむ、貴重な機会となったと言えるでしょう。

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