知久寿焼

知久寿焼：音楽と昆虫を愛する稀有なアーティスト

知久寿焼（ちく としあき）は、1965年生まれのミュージシャンであり、ツノゼミ研究家としても知られる多才な人物です。埼玉県川口市出身。幼少期は夜尿症に悩まされましたが、トカゲや昆虫を愛する少年時代を過ごしました。音楽への関わりは、流しの歌手だった叔父の影響から始まりました。高校時代にはフォークギター同好会に所属し、友部正人や原マスミらの音楽に影響を受けながら、独自の音楽性を磨いていきます。

波乱万丈の若年期とたま結成

知久寿焼の青年期は、幾多の困難に直面しました。両親が創価学会の熱心な信者だったことから、宗教的な集会への参加を強いられた彼は、苦悩の末に家出を決意します。高校に通いながら隠れ家のような友人のアパートで生活を続け、その後母親の死去、父親の精神的な不安定化により、改めて家を出て、女性と日蓮宗の寺院近くのアパートで共同生活を始めます。やがて父親も交通事故で亡くなります。

16歳で北千住のライブハウス「甚六屋」で出会った石川浩司と意気投合。共同生活を試みますが、不動産屋に断られ断念。その後、柳原陽一郎と出会い、3人でバンド「たま」を結成します。

たまでの活動は、彼にとって大きな転機となります。ボーカル、ギター、マンドリン、ウクレレ、ハーモニカを担当し、シュールな歌詞とアコースティックなサウンドを融合させた独特の音楽性を確立。マッシュルームカットにちゃんちゃんこ姿という個性的なスタイルも話題を呼び、多くのファンを獲得しました。独特の歌声は中島啓江氏からも絶賛されるほどでした。1995年末に柳原陽一郎が脱退後も活動を続けましたが、2003年10月に解散します。

多彩な活動の現在

たま解散後も、ソロ活動やユニット「パスカルズ」での活動を通して、精力的に音楽活動を続けています。パスカルズでは石川浩司と共に活動し、ヨーロッパなど海外公演も多数行い、フランスの新聞「ル・モンド」で紹介されたり、現地チャートで1位を獲得するなど、国際的な評価も得ています。近年では、ドラマや映画の劇伴音楽も担当し、『凪のお暇』や『妻、小学生になる。』といった話題作にも関わっています。また、NHKの教育番組『ピタゴラスイッチ』などにも楽曲を提供しています。

さらに、たまのメンバーだった滝本晃司とのユニット活動や、ジョン (犬)らとのユニット「17」など、多様な音楽活動を展開。2019年にはソロアルバムを2作品同時リリースし、うつみようこ、関島岳郎らと「ちくちんどん楽団」を結成、2023年にはアルバムを発表するなど、創作意欲は衰えることを知りません。

昆虫研究家としての顔

音楽活動以外にも、知久寿焼はツノゼミ研究家としての顔も持ち合わせています。幼少期からの昆虫採集の趣味を活かし、学研の図鑑LIVE「昆虫 新版」にも参加。独特な画風によるイラストも手掛け、たまのアルバムジャケットや絵本の挿絵なども担当しています。

知久寿焼の音楽と未来

知久寿焼の音楽は、シュールなユーモアと繊細な感性が融合した、唯一無二の存在です。彼の音楽活動は、これからも多くの人の心を魅了し続けるでしょう。ツノゼミ研究家としての活動も、彼の多様な才能の一端を示しています。これからも彼の活動から目が離せません。

作品一覧（一部）

アルバム
ソロアルバム多数
ちくちんどん楽団アルバム
パスカルズアルバム（パスカルズ公式HP参照）
たまアルバム（たまの項を参照）

映像作品
不思議な六月の夜
たまははき居酒屋ライヴ 最終回実況盤
不思議な巌流島ライブ
スターパインズカフェにじっしうねん御祝いなので知久寿焼たくさんうたいますんでちょっとお値段高めです。

配信曲
Majixにて多数配信

書籍
だるまさん千字文（挿絵）
ふしぎないきもの ツノゼミ（共著）

CMソング
ニトリ、キユーピー、ヒガシマル醤油、米久、ユニ・チャーム、ココネなど多数

出演
フジテレビ系『ひらけ!ポンキッキ』
映画『トルンピ アントン・ブリューヒンの口琴新世界』
スペースシャワーTV『ナンダコーレ』
映画『シュトルム・ウント・ドランクッ』
* 映画『川っぺりムコリッタ』

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