アンカル

『アンカル』について



『アンカル』（L'Incal）は、アレハンドロ・ホドロフスキーの原作にメビウスが作画を担当した、フランスの著名なバンド・デシネ作品です。この漫画は1981年に第一巻がフランスで発売され、その後1988年に全5部構成のストーリーが完結しました。日本では1986年に講談社から邦訳タイトル『謎の生命体アンカル』として第1巻が発売されましたが、その後の続刊は出なかったため、ファンにとっては長らく待たれているシリーズとなりました。2010年には小学館集英社プロダクションより完訳版が発売され、ついに本編全体が日本語で楽しめるようになりました。また、ホドロフスキーとフアン・ヒメネスのタッグによる外伝『メタ･バロンの一族』も存在し、作品の世界をさらに広げています。

ストーリー概要



物語の中心となるのは、R級ライセンスを持つ私立探偵ジョン・ディフールです。彼は偶然のきっかけで謎の生命体「アンカル」と出会い、その後さまざまな勢力の思惑に巻き込まれ、宇宙の抗争に参加することになります。政府やゲリラ組織、異星人など、さまざまな人々が絡む中で、ジョンの運命は大きく変わっていきます。彼の冒険は、ただの探偵としての仕事にとどまらず、宇宙規模の事態へと発展していきます。

主な登場人物



『アンカル』には、個性的かつ魅力的なキャラクターが多数登場します。
  • - ジョン・ディフール: R級ライセンスを持つしがない私立探偵。彼がアンカルを手にしたことで、宇宙抗争に巻き込まれる。
  • - アニマ: ネズミの女王で、ジョンと恋に落ちる人物。彼女はソリューンの母親でもあります。
  • - ディーポ: ジョンのペットの鳥で、アンカルの影響により言葉を話すことができるようになります。
  • - メタ・バロン: 宇宙一の賞金稼ぎで、アニマより幼いソリューンを預かり、彼を育て愛しています。
  • - ソリューン: アニマの息子で、超能力者かつ両性具有者。
  • - タナタ: アモクの女王であり、アニマの姉妹。彼女の子供である犬頭キルは、タナタを母と慕っています。

用語



この作品には、特殊な用語やキャラクターが多く登場し、物語の深みを増しています。多様な勢力やキャラクターの背景を知ることで、ストーリーに対する理解が深まります。

書籍情報




関連項目



本作は芸術的なビジュアルと複雑なストーリーで知られており、ホドロフスキーの他作品、「ホドロフスキーのDUNE」との関連も興味深いです。また、作品を深く理解するために、関連書籍や資料をお勧めいたします。

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