お菊

お菊の物語

お菊は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した女性で、豊臣秀次の娘として知られています。彼女は母親の小督局と共に、厳しい運命に翻弄されながらも強い意志で生き抜きました。彼女の人生は、愛・悲劇・家族の絆によって彩られています。

文禄4年（1595年）8月2日、豊臣秀次は厳しい状況に直面し、その妻子を含めた39人の眷族が処刑される運命にありました。この時、小督局も同様に31歳で京都の三条河原で命を落としました。彼女の辞世の句は、彼女の強さと悲しみを象徴しています。

お菊は生後間もない女児の際に、益田少将と富田一白（左近将監）によって救われ、祖父の出身地である波有手村の後藤六郎兵衛興義に預けられました。興義は小督局の実父である後藤政義の嫡男であり、彼にとっては叔父にあたります。菊と名付けられたこの女児は、成長し20歳になる頃、紀伊国の代官である山口喜内の嫡男・兵内と結婚しました。

しかし、幸せは長続きしませんでした。大坂夏の陣が勃発し、山口家は豊臣方として戦うことになりますが、兵内は大坂城で義理の伯父である淡輪重政と共に戦った末に討ち死にし、舅の喜内も紀州一揆を煽動しますが、失敗し、山口家は悲劇的な運命を辿ることになりました。一族の多くは処刑されますが、菊は何とか赦されることとなります。

しかし、菊は家族と共に命を絶つことを望み、自らを犠牲に志願しました。元和元年（1615年）6月6日、彼女は紀州南穂村の河原で命を終えることとなります。彼女の養母はその後、菊の冥福を祈り、後藤家の菩提寺である楊柳山法福寺に菊の木像を奉納しました。

お菊の物語は時を経ても、人々の心に残る悲劇的でありながらも美しい物語です。彼女の名前は、戦国時代の激動の時代に生きた女性として語り継がれ、多くの作品で取り上げられています。例えば、NHKの「その時歴史が動いた」や日本テレビの「日本史サスペンス劇場」といった番組でも彼女の姿が映し出されています。

参考文献とリンク

• - 井上正雄『国立国会図書館デジタルコレクション 大阪府全志』巻之5、1922年。
• - 法福寺（お菊寺） - 阪南市観光協会
• - 浜（孝子越）街道に沿って（阪南市） - お菊木像

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