ギゾ

ギゾ（Gizo）

概要

ソロモン諸島西部州を管轄する中心都市であるギゾは、ソロモン諸島の首都ホニアラから北西へおよそ380キロメートル離れたギゾ島に位置しています。2019年の推計によれば、人口はおよそ5千人です。地理的には、より大きな隣島であるコロンバンガラ島の南西沖に位置しています。

町の東側には、規模は小さいながらも舗装された航空滑走路が整備されており、島外との航空便によるアクセスが可能です。この交通インフラの存在は、ギゾに物流と人の流れをもたらし、ソロモン諸島内の他の多くの集落と比較して、比較的高い水準で都市機能が発展し、州都としての役割を果たす基盤となっています。

PT-109事件との関連

ギゾは、第二次世界大戦中にアメリカ海軍将校ジョン・F・ケネディ（後にアメリカ合衆国大統領となる人物）が搭乗し沈没した魚雷艇「PT-109」に関連する歴史的な場所としても知られています。海底探検家ロバート・バラード氏らが、沈没したPT-109の探索を行った際には、ギゾがその調査活動の拠点となりました。

PT-109の沈没後、過酷な状況を生き延びた乗組員たちが最終的に漂着したのは、ギゾ島の東南に点在するプラム・プディング、オラサナ、ナルの三つの小さな島々でした。彼らの発見に決定的に貢献した二人の地元住民のうちの一人、エロニ・クマナ氏の子孫は、現在もこの島に暮らしていると伝えられています。なお、これらの島々は、太平洋戦争中の1943年には大日本帝国海軍によって占領されていました。

2007年の津波

2007年4月2日、ギゾの南西約40キロメートル沖合を震源とするマグニチュード8.1の強い地震が発生しました。この地震により引き起こされた大規模な津波がギゾの町を襲いました。ギゾ一帯では平均で約4メートル、場所によっては最大6メートルに達する津波が押し寄せ、甚大な被害をもたらしました。

この自然災害による人的被害は大きく、2007年4月9日時点の集計によれば、少なくとも34人の死者、7人以上の行方不明者、そして100人以上の負傷者を出しました。幸いなことに、津波が襲来したのは日中の時間帯であり、また津波の直前に海岸線から潮が異常に引く現象が見られました。これにより、多くの住民が危険を察知し、より安全な高台へと速やかに避難行動をとることができたため、犠牲者の数を限定的に抑えることができた側面もあります。

しかし、ギゾの北東に位置するササムンガ村など、一部地域ではその様相が異なりました。ササムンガ村では、その規模が10メートルにも達する巨大な津波が村を飲み込み、多くの家屋や、地域住民の生活を支える農作物を育む畑、そして地域の医療を担う病院などの重要なインフラが完全に破壊されるという、極めて深刻な被害を受けました。

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