けものフレンズ

けものフレンズ

『けものフレンズ』は、日本のメディアミックス作品であり、「けもフレ」という略称で親しまれています。「あなたは、けものがお好きですか?!」「あの子たちと、友達（フレンズ）になれる！」というキャッチコピーが示すように、動物をモチーフにしたキャラクターたちが織りなす物語が魅力です。

概要

本作は、吉崎観音がコンセプトデザインを手がける「アニマルガール」たちが集まる、架空の動物園「ジャパリパーク」を舞台にしたメディアミックスプロジェクトです。アニマルガールは、単に人間が動物の姿をしているのではなく、「動物が人間の外見をしている」という点が特徴的です。この独自の世界観が、多くのファンを魅了しています。

企画の経緯

プロジェクトは、2013年にKADOKAWAへの新規IP制作依頼がきっかけで始まりました。吉崎観音のキャラクターと世界観を基に、KADOKAWAの梶井斉を中心に2014年頃に発足。「原作はゲームでもアニメでもなく『動物』である」という吉崎の考えのもと、各メディアが「ジャパリパーク」や「サンドスター」といった基本設定を独自に解釈し、複合的な展開を行っています。ファンサイドの二次創作を公式に認めている点も、プロジェクトの特徴の一つです。

デザイン

コンセプトデザイン

吉崎観音の参加は、梶井がクライアントに紹介したことがきっかけでした。東日本大震災の支援活動を通じて、新たなIPの必要性を感じていた吉崎は、この依頼を快諾。シンガポールでのナイトサファリや多摩動物公園でのサーバルキャットとの出会いが、「けものフレンズ」と「サーバル」の誕生に繋がりました。当初はデザインのみの参加予定でしたが、吉崎自身の希望により、コンセプトデザインという形でプロジェクトに関わることになりました。フレンズの数は当初100体までとされていましたが、最終的には300体を超える数となっています。

ロゴデザイン

ロゴデザインは、Y'sの米田龍平が担当しました。梶井からの依頼を受け、イラストと世界観しかない段階から制作がスタート。初期案に対し、吉崎は「子どもが書きたくなるような、マイルドで視認性の高いもの」を求めました。配色に関しては、特定のフレンズに限定されることを避けるため、動物の生息域をベースに決定。「の」のピンクや「ズ」の紫は、日本の桜や沼地の色をイメージして使用されています。

沿革

プロジェクト始動（2014～2017）

プロジェクト発足当初、ゲーム・漫画・アニメの3つのコンテンツが同時進行で制作されました。2015年にスマートフォン用ゲームアプリが先行リリースされ、続いて漫画版が連載開始。2017年にはテレビアニメが放映され、2.5次元舞台も上演されました。

アニメ1作目の反響（2017）

アニメ1作目は大きな話題となり、新作映像やゲームアプリの制作が決定。声優ユニットのメディア露出が増加し、動物園や水族館とのコラボレーションも行われました。

プロジェクトの拡大（2017～2019）

オーケストラコンサート、ライブイベント、展覧会の開催、家庭用ゲーム機用ソフトの配信、声優ユニットのメジャーデビュー、小説の出版、アーケードゲームの稼働開始など、多岐にわたる展開を見せました。2019年には、プロジェクト5周年を記念した展覧会「けものフレンズわーるど」が開催されました。

海外展開（2019～）

アニメ1作目の英語吹き替え版のリリース、中国向けのゲームアプリ配信など、海外展開も開始。2021年にはVTuberプロジェクト『けものフレンズVぷろじぇくと』が始動し、2022年には中国語圏向け新作ゲームアプリがリリースされました。

けものフレンズ10周年（2024～）

プロジェクト始動10周年を記念し、公式サイトをリニューアル。370を超えるフレンズのキービジュアルが掲載され、様々なメディアでの展開が告知されています。また、World Wide Fund for Nature(世界自然保護基金)を通じた動物支援も継続されています。

作中設定・用語

ジャパリパーク

超巨大動物園ジャパリパークは、海底噴火によって誕生した島に作られた、世界中の野生動物が集まる場所です。現生種だけでなく、絶滅種や伝説上の生物も存在します。遊園地形式の公開エリアと、研究・飼育のための管理エリア「ジャパリパーク・サファリ」に分かれています。メディアによってパークの状態は異なり、通常運営されているものから、セルリアンの襲来により休園状態のものまで存在します。

アニマルガール / フレンズ

ジャパリパークの動物がサンドスターの力でヒトのような姿に変身した存在が、アニマルガール、通称フレンズです。言語によるコミュニケーションが可能で、元の動物の特徴を残しつつも、人間の思考や関係性に近い性質を持ちます。三次創作による版権キャラクターのフレンズ化も可能です。

サンドスター（砂の星）

サンドスターは、パークの動物をフレンズ化させる謎のエネルギー体です。絶滅種を復元したり、自己意識を持った知性体のようなヒト型へと姿を変えるなど、多くの謎に包まれています。

セルリアン

ジャパリパークの平和を脅かす謎の存在です。輝きを奪い、形態を変化させる性質を持ちます。アニメ版ではサンドスターを奪う存在として描かれています。

ラッキービースト

パーク内を案内・管理する機械のような存在です。腹部にカメラのようなものが設置されており、パークの運営をサポートします。

『けものフレンズ』は、魅力的なキャラクターと世界観、そして多様なメディア展開で、多くのファンを魅了し続けています。

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