げっちゅ屋

げっちゅ屋：美少女ゲームのパイオニアとその変遷

「げっちゅ屋」は、株式会社ゲインズが運営する、アダルトゲームを中心に、アニメグッズや同人誌などを扱うECサイトおよび実店舗です。その歴史は1999年にイーディコントライブ株式会社が運営する美少女ゲームサイト「Comike.com」として創業されたことに始まります。しかし、名称がコミックマーケットと類似していたため、2001年に現在の「げっちゅ屋」へと名称変更されました。この変更に伴い、オンラインショップのドメインも「getchu.com」に変更されました。

げっちゅ屋の特徴は、長年に渡って取り扱ってきた膨大な商品データベースにあります。発売済みの商品だけでなく、発売予定の商品や既に品切れとなった商品情報も網羅しており、多くの商品にサンプル画像が掲載されています。タイトル名やメーカー名だけでなく、ゲーム説明文中のキーワード検索にも対応しているため、新規参入や倒産が頻繁に起こるアダルトゲーム業界において、貴重な製品情報源となっています。

しかし、近年ではいくつかの課題に直面しています。2022年頃には動画データを保存していたサーバーが停止したため、過去作品のサンプルムービーが閲覧できなくなってしまいました。その後発売された商品についても、YouTubeなどにデータがアップロードされているものを除いて、サンプルムービーは掲載されなくなりました。さらに2024年には、クレジットカード会社からの要請を受け、成人向け作品を中心に大量の商品情報が削除される事態となりました。このため、データベースサイトとしての有用性は大きく低下してしまいました。

2006年には、ダウンロード販売サイト「DL.Getchu.com」を運営開始し、デジタル同人作品を含む様々なデジタルコンテンツを取り扱うようになりました。同人イベントへの参加やチラシ配布なども積極的に行い、特にコスチュームをテーマにしたROM作品（コスROM）などの同人タイトルに力を入れています。しかし、2016年には警視庁からの指導を受け、コスROMの販売を一時停止する措置をとっています。

店舗展開においては、秋葉原に「あきば店」を2000年11月にオープン、その後大阪日本橋や名古屋大須にも店舗を展開していましたが、2024年8月には「あきば店」が閉店しています。

げっちゅ屋では、PCゲーム、アニメDVD、音楽CD、フィギュア、書籍、同人誌など幅広い商品を取り扱っています。マスコットキャラクターである「コムちゃん」も人気で、テーマソングCDは全国のアニメグッズ店舗で販売されるほどです。コムちゃん役は、創業時は長崎みなみさんが担当し、2002年からは望月久代さんに交代しています。

運営会社は、創業時のイーディコントライブ株式会社から、株式会社ザッパラス、有限会社ゲインズを経て、現在は株式会社ゲインズとなっています。また、ダウンロード販売サイト『Gyutto』との業務提携や、関連会社である株式会社ハブロッツ、株式会社カーニバルとの連携を通して、デジタルコンテンツ市場での事業拡大を図っています。

過去には、美少女ゲームに特化した検索エンジンや、電子掲示板、チャット、オフラインミーティング、求人情報などのサービスも提供していましたが、現在は終了しています。げっちゅ屋は、アダルトゲーム業界の変遷を反映しながら、現在もデジタルコンテンツの販売・流通に貢献し続けています。しかし、近年の変化は、その事業モデルやサービス内容に大きな影響を与えており、今後の動向が注目されます。

もう一度検索