さいたま市立岩槻郷土資料館

さいたま市立岩槻郷土資料館：岩槻の歴史と文化を語る貴重な資料館

さいたま市立岩槻郷土資料館は、埼玉県さいたま市岩槻区に位置する、民俗資料を専門に扱う資料館です。さいたま市立博物館の分館として、地域の歴史と文化を後世に伝える役割を担っています。

歴史ある建物の魅力

資料館の建物は、1930年（昭和5年）に岩槻警察署の庁舎として建設されました。当時、岩槻地区で初めて建てられた鉄筋コンクリート造の建物という点で、近代建築史においても重要な意義を持っています。1976年（昭和51年）、警察署が移転した後は、岩槻市（現・さいたま市岩槻区）に引き継がれ、1977年（昭和52年）には岩槻市立中央図書館の仮書庫として活用されました。そして、1982年（昭和57年）5月1日、民俗資料の収集・保存を目的とした「岩槻市立郷土資料館」として開館しました。2005年（平成17年）のさいたま市編入合併に伴い、現在の名称に改称されました。2016年（平成28年）には、建物全体が国の登録有形文化財に登録され、その歴史的価値が改めて認められました。

展示内容：岩槻の過去・現在を体感

資料館では、常設展示を中心に、岩槻地域の豊かな歴史と文化を紹介しています。展示は大きく3つの柱で構成されています。

1. 大昔の暮らし

国の史跡に指定されている真福寺貝塚をはじめ、岩槻地域で発掘された土器や石器など、古代の生活を垣間見ることができる考古資料を展示。太古の昔からこの地で営まれてきた人々の生活を想像することができます。

2. 岩槻のあゆみ

岩槻城に関する貴重な史料や、岩槻藩の藩校であった遷喬館、そしてその創立者である児玉南柯に関する資料などを展示。城下町としての歴史や、教育・文化の発展の様子を知ることができます。

3. くらしの道具

岩槻地域の農村や城下町で実際に使用されていた生活用具など、民俗資料を数多く展示。農家の道具から生活用品まで、当時の暮らしぶりがリアルに伝わってきます。

これらの展示を通して、来館者は岩槻の歴史と文化を深く理解し、地域への愛着を育むことができます。また、通路には、かつて岩槻地区を走っていた武州鉄道に関するパネルや写真も展示されており、交通史に関心のある方にも魅力的な空間となっています。さらに、さいたま市立博物館で開催された特別展や企画展の巡回展示も開催されるため、多様な展示内容を楽しむことができます。

アクセスと開館情報

開館時間は午前9時から午後4時30分まで。休館日は月曜日（祝日を除く）、祝日の翌日（土日祝を除く）、年末年始（12月28日～1月4日）です。入館料は無料です。東武野田線岩槻駅から徒歩10分、旧国道16号線沿いに位置し、駐車場も完備されているため、アクセスも良好です。

まとめ

さいたま市立岩槻郷土資料館は、歴史的建造物と貴重な資料を通して、岩槻の歴史と文化を深く学ぶことができる貴重な場所です。無料で利用できるため、気軽に訪れて、岩槻の豊かな歴史に浸ってみてはいかがでしょうか。

もう一度検索