しかのこのこのここしたんたん

『しかのこのこのここしたんたん』

『しかのこのこのここしたんたん』はおしおしおによる日本の漫画作品で、2019年12月から2023年11月まで『少年マガジンエッジ』（講談社）で連載されました。2023年12月からは『マガジンポケット』に移籍して連載が続いています。この作品は東京都日野市を舞台に、元ヤンキーの女子高生・虎視虎子と、シカの角を持つ謎の少女・鹿乃子の友情の日常を描いたガールズコメディです。また、2024年7月にはテレビアニメ化され、視聴者に親しまれています。キャッチコピーは「人類よ、シカを目指せ！」です。

作風と背景

おしおは日常生活の中に奇妙なキャラクターを取り込み、どのように物語を進展させるかを考えました。以前の連載作品の終了をきっかけに、さまざまな編集部に企画書を持ち込む中で、北風のように自由な作風を持つ編集者・五十嵐と共にこのプロジェクトがスタートしました。そして、従来の4コマ漫画スタイルに対抗して、通常のコマ割りを採用することが決定されました。

ストーリーは、東京近郊の日野市が舞台であり、日野市が選ばれた理由は多摩動物公園の存在です。しかし、意外にも多摩公園には鹿がいないことが明らかになり、著者は後にその事実に気づくというご愛嬌もありました。初めは男性キャラクターの登場も考えられましたが、ギャグ漫画という作品の特性を生かし、女性キャラクターのみで構成されています。

あらすじ

主人公の虎視虎子（こしたん）は高校2年生で、周囲からはお淑やかな優等生と評価されていますが、実は中学校時代は不良だった過去を持ち、そのことを隠し続けています。ある朝、登校途中に鹿の角を持つ少女、鹿乃子のこ（のこたん）を電線から助けたことで、彼女の奇妙な行動に巻き込まれていきます。

虎子は、元ヤンであることを一目で見抜かれ、のこと呼ばれる「こしたん」と名付けられ、段々と彼女との日常が変わっていく様子が描かれます。やがて、彼女は「シカ部」の部長に任命され、部活の活動を通じて様々なキャラクターと関わりながら成長していくのです。特に、虎子の偏愛するヤンデレ妹・虎視餡子や、新入部員の馬車芽めめらとの賑やかなやり取りが物語に彩りを添えます。さらに、生徒会副会長の猫山田根子は虎子に対抗心を燃やし、シカ部の廃部を企てることになります。

登場人物

主なキャラクターには、虎視虎子、鹿乃子のこ、虎視餡子、そして馬車芽めめの他にも、さまざまな個性的な生徒会メンバーや、シカ部に関わる人々が登場します。虎子は姉妹的な関係からトラブルメイカーの妹餡子に振り回されつつも、のことの奇行に共に笑ったり、癒されたりする日常を送ります。

書誌情報とアニメ

この作品は、現在までに6巻が刊行されており、2024年7月にはテレビアニメが放送されています。原作のテーマやキャラクターは、リーダブルでありながらユーモアと心温まる要素を融合させており、広範な読者たちに支持されています。これにより、コミックの枠を超えたメディア展開にもつながるでしょう。

『しかのこのこのここしたんたん』は、元ヤン女子高生と奇妙な鹿少女のハートフルな友情物語であり、これからも多くのファンの心を掴むことでしょう。

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