しぶんぎ座流星群

しぶんぎ座流星群：年間三大流星群の一つ

しぶんぎ座流星群は、1月1日頃から7日頃にかけて出現する流星群です。放射点はうしかい座とりゅう座の境界付近に位置しており、かつて存在した壁面四分儀座という星座にちなんで名付けられました。現在では、国際天文学連合によってQuadrantidsという名称が正式に採用され、日本では「しぶんぎ座流星群」と呼ばれています。

毎年1月4日の明け方頃にピークを迎え、1時間あたり50個程度の流星が観測されると言われています。ペルセウス座流星群、ふたご座[[流星群]]と並んで、年間三大流星群の一つに数えられており、多くの天文愛好家から注目を集めています。

観測のポイント

しぶんぎ座流星群のピークは、前後1時間から4時間程度と非常に短いのが特徴です。そのため、ピーク時間が昼間に当たってしまうと、観測できる流星数は減少してしまいます。また、放射点が北天にあるため、北半球でないと観測が難しく、特にヨーロッパでは冬の天候に恵まれないため観測は難しいです。一方、日本の太平洋側は天候に恵まれることが多いため、日本で観測するには非常に好条件の流星群と言えるでしょう。

活動性の謎

しぶんぎ座流星群の活動性は、必ずしも毎年同じではありません。かつては、西暦を4で割って2余る年に盛んな出現が見られるという説がありましたが、必ずしもこの規則性が当てはまるとは限りません。1975年や1987年といった、この規則に当てはまらない年にも大出現が観測された例があり、また逆に、この規則に当てはまる年でも大出現が見られなかった例も存在します。

近年では、出現数のピークの周期が恒星年に正確に同期しておらず、30年以上、365.25日のユリウス年に同期しているという報告もあります。これは、木星の重力による摂動が影響している可能性が指摘されています。2005年の出現が1974年と比べて少なかったことも、この説を裏付ける一例と言えるかもしれません。

未解明の母天体

[しぶんぎ座]]流星群の母天体（母彗星）はまだ特定されていません。マックホルツ第一周期彗星]やC/1490 Y1、[[太陽系小天体2003 EH1、ヘール・ボップ[[彗星]]など、いくつかの候補が挙げられています。

その中でも、2003 EH1という小惑星が注目されています。この小惑星は、公転周期5.53年で、軌道傾斜が大きい点を除けば、短周期彗星の軌道とよく似ています。1975年と1987年の大出現が、この小惑星の降交点通過の約半年前と、その12年後（2公転後）に当たっていることから、母天体との関連性が示唆されています。また、この小惑星は1972年に木星に大接近し、軌道が変化していることも知られています。

1960年から1984年にかけて木星に接近した時期があり、地球軌道との交差が一度悪くなった後、再び良くなったという経緯があります。1984年に木星接近の時代が終わって以降、今世紀の中ごろまでは木星接近がないと推定されています。1998年以降のしぶんぎ座流星群の活動性の低下との関連について、日本の理論家らの間で研究が進められています。

しぶんぎ座流星群の謎は、まだ多く残されています。今後の研究によって、母天体や活動性の変動に関する理解が深まることが期待されます。

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