どろソース

どろソースの魅力

どろソースは、兵庫県神戸市に本社を構えるオリバーソースによって製造されている特別な調味料です。同様のソースは他社からも販売されており、「オリソース」や「たまりソース」として知られていますが、オリバーソースが商標登録している「どろ」という名称が一般的に使用されることも少なくありません。

どろの由来

このソースは、ウスターソースの製造過程で自然に生成される沈殿物から生まれます。この沈殿物は「澱（おり）ソース」とも称され、その粘り気のある性質から「どろ」と名付けられました。ウスターソースが熟成する際に必ず発生するこの副産物には、野菜や果実、香辛料が豊富に含まれています。

もともと、どろは商品価値が低いと考えられ廃棄されることが多かったのですが、その独特の旨味やコクが業界内では認識され、1936年からはオリバーソースの前身である道満調味料研究所がこの素材の配布を開始しました。昭和時代には、神戸市内の一部の飲食店において「辛めの隠し味」として重宝されており、特にお好み焼きのお店では貴重な存在として扱われていました。常連客でなければ手に入れられないような「裏メニュー」としても知られています。

商品化の革新

オリバーソースは濃厚なソースを中心に製品開発を行っており、1993年からは伝統的な沈殿製法を用いてウスターソースの製造に挑戦しています。この製法により、理想的な「ウスター母液」を製造することができ、これが沈殿物である「どろ」の量を増やします。従来であれば廃棄されていた「どろ」を商品化しようというアイデアは、業界に革新をもたらしました。この逆転の発想によって、どろの成分と品質が安定し、商品化が実現したのです。

1993年3月にどろソースの販売が開始されると、初期から順調に売り上げを上げていきました。特にそばめしブームの際にはテレビ番組で取り上げられ、売上が急増。2000年12月には前月比で60%もの増加を記録し、このブームを受けて現在では業務用・家庭用ともに人気の商品として市場に定着しています。

使用上の注意

どろの主成分は香辛料であり、かなり強い刺激があるため、調理に利用する際は使いすぎに注意が必要です。隠し味として使うにあたり、少量で十分なだけの風味を持っています。

製品ラインアップ

オリバーソースは、様々なラインアップのどろソースを展開しています。以下に主な製品を挙げます。

• - どろソース
• - 辛さ5倍どろソース
• - どろ仕込みお好みソース
• - どろ仕込み焼そばソース
• - お好みソース ちょびっとどろ
• - 焼そばソース ちょびっとどろ
• - クライマックス・ヴィンテージ3年仕込み どろソース
• - 長田ソース
• - 激辛コテコテたまりソース

さらに、同様のどろソースは他社からも登場しており、地域密着型の商品が多数存在します。例えば、森彌食品の「ブラザーどろからソース」、ばら食品の「ばらソース旨辛どべ」、神戸宝ソース食品の「タカラたまりソース」など、地域ごとの特色を活かした商品が豊富にあります。

どろソースは、その独自の風味と深い味わいで料理に新たな魅力を加える調味料であり、これからも多くの食卓に彩を与えることでしょう。

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