ならファミリー

ならファミリー：西日本最大級の複合商業施設

1972年3月14日、奈良県奈良市西大寺に開業したならファミリーは、日本初の2核型大型ショッピングセンターとして知られています。近鉄百貨店奈良店とイオンスタイル奈良（旧ジャスコ奈良店）を核テナントに、約150もの専門店、公共サービスセンター、秋篠音楽堂などの文化施設が集積する、西日本最大級の複合商業施設です。

開業から現在まで：時代の変化に対応した進化

開業当初は、郊外型ショッピングセンターの先駆けとして、近鉄百貨店とジャスコ（現在のイオン）の共同出資による「ダイヤモンドファミリー」によって運営されていました。地下1階地上5階建ての建物には、両核テナントの他に100を超える専門店が入居し、600台収容の駐車場を備えていました。

その後、周辺地域の開発や消費者のニーズの変化に対応するため、1992年には全面建て替えが行われました。約400億円を投じた大規模な改修工事で、文化・情報・サービス施設を充実させ、「シルクロードファンタジー」をテーマにした多機能・複合型ショッピングセンターへと生まれ変わりました。近鉄百貨店の売り場面積は3倍近くに拡大し、秋篠音楽堂や近鉄奈良ホールといった文化施設も新設されました。

2002年には、近鉄百貨店とならファミリー全体でリニューアルを行い、フードコートやヤングカジュアルブランドを強化。さらに、2007年には屋上を屋上庭園「スカイガーデン」に改修するなど、継続的に施設の刷新に取り組んできました。

2016年には、約50億円を投じた大規模な改装を行い、新たな専門店街「zoro」をオープン。奈良の「大和モダン」をコンセプトに、天平文化を現代的に解釈した空間デザインを取り入れました。イオン奈良店は「イオンスタイル奈良」としてリニューアルオープンし、近鉄百貨店も県内初出店のブランドなどを導入するなど、施設全体のレベルアップを図っています。

ならファミリーの特徴：シルクロードをテーマにした空間と多様な機能

ならファミリーは、シルクロードをテーマに、独特の空間演出が施されています。シンボルキャラクターであるラクダの「ポコラ」は、館内の様々な場所に配置され、来場者を出迎えます。リニューアル後も、新たなラクダのモニュメント「TAKARAKUDA」が設置され、館内の雰囲気作りに貢献しています。

ショッピングだけでなく、行政サービス、文化施設、そして屋上庭園「スカイガーデン」など、多様な機能を備えていることも、ならファミリーの特徴です。近隣には学校も多く、学生から家族連れまで、幅広い層の客が訪れています。

競合他店と地域貢献

近隣には、ミ・ナーラ（旧奈良そごう）などの競合商業施設が存在しますが、ならファミリーは規模と機能の多様性で差別化を図っています。また、歴史的建造物である西隆寺の跡地に建設された経緯から、発掘された遺構を保存・展示するなど、地域貢献にも力を入れています。

今後の展開

2018年には、住商アーバン開発株式会社による運営に移行し、現在も地域社会の中核的な商業施設として発展を続けています。今後も、時代の変化に合わせて柔軟に対応し、より魅力的な空間を提供していくことが期待されます。

まとめ

ならファミリーは、単なるショッピングセンターではなく、地域社会に密着した複合商業施設として、半世紀以上にわたって発展を続けています。シルクロードをテーマにした独特の雰囲気、多様なテナント、そして地域貢献への取り組みは、多くの来場者を引きつけ、これからも奈良のランドマークとして存在感を示し続けるでしょう。

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