にっぽん丸

にっぽん丸：日本のクルーズ客船の歴史と進化

にっぽん丸は、商船三井クルーズが運航する外航クルーズ客船であり、日本のクルーズ文化を代表する存在です。その歴史は、時代とともに進化を遂げてきた3隻の「にっぽん丸」によって彩られています。

初代にっぽん丸（1958年 - 1976年）

1958年に竣工した初代にっぽん丸は、総トン数10,770トン、全長145mの客船でした。元々は南米航路に就航していた「あるぜんちな丸（2代目）」を改装したもので、1972年に研修船として生まれ変わりました。船内には研修教室や集会場が設けられ、青年の国際交流事業にも使用されました。

2代目にっぽん丸（1977年 - 1990年）

2代目にっぽん丸は、1962年にブラジルの客船「Rosa da Fonseca」として建造されました。1977年に商船三井客船が購入し、「にっぽん丸」として運航を開始しました。豪華な船内設備を備え、クルーズ客船として国内外の航路で活躍しました。

3代目（現）にっぽん丸（1990年 - 現在）

現在の3代目にっぽん丸は、1990年に三菱重工業神戸造船所で建造されました。2代目のコンセプトを継承しつつ、さらに豪華で快適なクルーズ体験を提供するために設計されています。2022年には大規模な改装が行われ、客室やレストラン、ラウンジなどが一新されました。

特徴

多様なクルーズコース: 日本各地や世界各地を巡る多彩なクルーズコースが用意されています。
充実した船内設備: レストラン、バー、ラウンジ、プール、スパ、ショップなど、充実した設備で快適な船旅をサポートします。
イベント: 船内では、コンサート、ショー、講演会など、様々なイベントが開催されます。
美食: 各レストランでは、旬の食材を使った料理や本格的なコース料理が楽しめます。

船内設備（2022年改装後）

レストラン＆バー: メインダイニングルーム「瑞穂」、オーシャンダイニング「春日」、寿司バー「潮彩」、リドバー&グリルなど、様々な食事を楽しめるレストランやバーがあります。
ラウンジ: ラウンジ「海」、ドルフィンラウンジ、ホライズンラウンジなど、くつろぎの空間が用意されています。
エンターテイメント: マーメイドシアター、ドルフィンホールなど、エンターテイメントを楽しめる施設があります。
リラクゼーション: スパ＆サロン、オアシススタジオ＆ジム、プールなど、リフレッシュできる施設があります。

グアム岸壁接触事故

2018年12月30日、にっぽん丸はグアム島アプラ港出港時に岸壁に接触する事故を起こしました。この事故により、船体と岸壁の一部が破損しましたが、幸いにも死傷者はありませんでした。事故原因は船長の操船ミスとされています。

今後の展望

3代目にっぽん丸は、2028年頃に引退を予定しており、その後は新造船2隻が導入される計画です。新たな客船によって、日本のクルーズ文化はさらに発展していくことが期待されます。

撮影協力

にっぽん丸は、数多くのドラマや映画の撮影にも使用されています。

『富豪刑事デラックス』
『喰いタン2』
映画『名探偵コナン 水平線上の陰謀』
『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』

関連項目

ふじ丸（姉妹船）
日本丸

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