はるき

はるき：和歌山発、新世代の柑橘

はるきは、ミカン科の常緑樹である柑橘類の一種で、タンゴールに分類されます。和歌山県で生まれたこの品種は、2021年10月に品種登録されたばかりの、比較的新しい柑橘です。

その誕生は、和歌山県果樹試験場での地道な研究の成果です。清見オレンジを種子親、中野3号ポンカンを花粉親として交配。2002年に誕生したはるきは、不知火やはるみと同じ組み合わせで生まれた兄弟品種にあたります。

大きくてジューシー、食べやすさが魅力

はるきの最大の魅力は、その果実の美味しさです。果肉は大きく、口にした時のサクサクとした食感が特徴。ひと粒ひと粒がしっかりと存在感を示し、食べ応えがあります。糖度は13～14度前後と高く、甘みと酸味のバランスがとれた、濃厚な味わいが楽しめます。

果実は約180グラムと食べやすい大きさで、皮は手で剥きやすいのが嬉しいポイント。薄くて柔らかなじょうのう膜も、口に残る不快感がなく、果実全体を美味しくいただけます。さらに、浮皮などの果皮障害も少なく、見た目も美しく、贈答用にも最適です。種子の数は非常に少なく、ほとんど入っていません。

栽培しやすい品種

はるきの樹は、直立性でポンカンによく似ています。樹勢が強く、成長が早いので、比較的短期間で収穫量を増やすことができます。隔年結果性も中程度と安定しており、生産者にとっては嬉しい性質です。また、枝にはトゲが少なく、かいよう病にもかかりにくいことから、栽培管理が比較的容易です。中晩柑の中では、特に栽培しやすい品種と言えるでしょう。

和歌山県限定の希少品種

現在、はるきの栽培と苗木の供給は和歌山県内に限定されています。これは、育成者権の保護のためです。そのため、他府県では、当面の間、はるきを栽培することができません。和歌山県独自のブランド柑橘として、その希少性も相まって、ますます注目を集めそうです。

まとめ：未来の柑橘、はるき

優れた食味と栽培の容易さを兼ね備えたはるきは、和歌山県が誇る柑橘の未来を担う品種と言えるでしょう。その美味しい果実を味わう機会があれば、ぜひそのサクサクとした食感と濃厚な甘みをご堪能ください。今後の更なる発展と普及に期待が高まります。

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