ひのまる公園

ひのまる公園

ひのまる公園は、北海道札幌市東区北41条東10丁目に位置する公園です。公園の北側には北海道道431号丘珠空港線が走り、道路を挟んだ向かい側には札幌市立栄小学校と烈々布神社があります。園内には、ヤチダモ、ハルニレ、ミズナラなど25種類以上、約1400本もの樹木が保存されており、豊かな自然を感じることができます。

日の丸農場の歴史

この公園は、明治時代に札幌村の三大農場の一つとして知られた日の丸農場の跡地に作られました。この地域はもともと低湿地で、農地としての利用には不向きな場所でしたが、そのために開発を免れ、現在まで残されることになりました。

日の丸農場の創設者は、三重県出身の松本菊次郎です。彼は1890年（明治23年）に函館の北海道共同商会に入社し、北海道の土地でリン酸が不足していることに着目しました。その後、「日の丸産業」を設立し、肥料販売事業に乗り出しました。

1908年（明治41年）11月、松本は浅羽靖から土地を購入し、化学肥料や農業機械の試験場を兼ねて日の丸農場を開設しました。農場では、アメリカから輸入したトラクターを導入し、真駒内種畜場から得た乳牛を飼育するなど、当時の最先端のアメリカ式農法を取り入れていました。当初はエンバクを中心に栽培していましたが、1913年（大正2年）からは創成川から水を引き、水田を造成して米作に転換しました。

日の丸農場の小作料は、他の農場に比べて高かったため、小作争議が絶えなかったと言われています。しかし、第二次世界大戦後の農地改革により、農地は小作人たちに20年年賦で解放されることになりました。1949年（昭和24年）には、用水路を共同管理するための「日の丸水田組合」が結成されました。

その後、周辺地域の宅地化が進むにつれて水田は姿を消し、用水路も埋め立てられました。1972年（昭和47年）には、役目を終えた組合によって、後に公園となる場所に「日の丸農場記念之碑」が建てられました。

この地の歴史を伝える日の丸農場跡は、さっぽろ・ふるさと文化百選のNo.060にも選定されています。

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