ひびき型音響測定艦

ひびき型音響測定艦について

概要

ひびき型音響測定艦（Hibiki-class ocean surveillance ships）は、日本の海上自衛隊が運用する音響測定艦の艦級であり、平成元年および平成2年度に建造された1隻ずつに加え、平成29年度にはさらに1隻が建造されました。この艦級の主力装置は、超長距離で潜水艦を探知する能力を持つSURTASS曳航ソナーです。

背景

1950年代に登場した原子力[[潜水艦]]は、高度な静粛性を誇る一方で、音を発する原子炉や蒸気タービンなどのノイズが探知の弱点となっていました。この状況を踏まえ、アメリカ海軍はパッシブ・ソナーを利用した対潜戦を構築し、これをもとにソ連の潜水艦に対抗する戦略を導入しました。しかし、時が経つにつれてソビエト連邦も静粛性を強化した潜水艦の運用を始め、アメリカ軍のパッシブ対潜戦システムの効果は減少していきました。そこで、アメリカ海軍は新たな対策として、SURTASSの開発を決定しました。

この技術を持つ艦艇を保有する必要性が高まり、1987年には日米の専門家による協議が行われ、SURTASS艦の建造が決定されました。これに基づいて、海上自衛隊はひびき型艦の建造に着手しました。

設計と性能

ひびき型音響測定艦は、アメリカ海軍が運用しているSWATH（小水線面積双胴船）型のデザインを採用しています。これにより、荒天時にも安定した曳航が可能で、音響探知性能を最大限に引き出すことができます。艦の上甲板には艦橋とヘリコプター甲板が配置されており、乗員の居住空間も十分に配慮されています。特に、もっぱら対潜任務を遂行するための快適性や省力化が追求されています。

また、機関にはディーゼル・エレクトリック方式を採用しており、静粛性を維持しつつ運用されています。最大速度は約11ノットと、特に快速での活動には向かない設計ですが、運用目的には適した性能を持っています。

装備

最も重要な装備は、AN/UQQ-2 SURTASSです。この曳航ソナーは、全長8,575フィート（約2,614メートル）にも及ぶ長大なケーブルを持ち、500から1500フィート（約150から460メートル）の深度で潜水艦の音響情報を収集する能力を持ちます。日本近海での音響探知活動を行い、得られたデータは対潜支援に役立てられます。

同型艦

ひびき型艦は3隻存在し、初の2隻は平成元年と平成2年に建造され、既に運用されています。平成29年度に3番艦（あき）が建造され、令和2年には進水しました。この艦は、4隻目の建造を視野に入れた計画も存在しています。

結論

ひびき型音響測定艦は、潜水艦対策の最前線で活躍する艦艇です。海上自衛隊の音響情報収集能力を強化し、地域の防衛能力を高める上で重要な役割を果たしています。今後の運用に期待が寄せられています。

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