みらいへ

航海練習船「みらいへ」について

「みらいへ」は、特定非営利活動法人ゼリ・ジャパンが運営する航海練習船です。もともとは1993年に「帆船あこがれ」として就航し、大阪市が所有していました。この船は、大阪南港に定置され、「セイル・トレーニング事業」に使用されていました。一般市民が航海を体験できる日本唯一の帆船として、さまざまなプログラムが提供されていました。

船の概要

「みらいへ」の船名は一般公募によって選ばれました。特に、4年生以上の児童から大人まで幅広い層が参加できるプログラムがあり、クルージングを楽しむ1日コースや、エンジンを使わずに帆走を行う本格的な入門宿泊コース、さらに乗組員の指導の下で操船を体験する航海型コースなどが設定されていました。主に大阪南港を母港として運航されていましたが、長崎帆船まつりなどのイベントにも参加していました。

しかし、2011年から始まった大阪市長・橋下徹の市政改革の影響により、2012年末に運航が終了し、トレーニング事業も廃止されます。船は競売にかけられ、その後個人に売却されました。この売却については、有識者からの懸念が表明され、「MJCマリン大賞」が授与されたり、高校生の人材育成を目的とする航海の構想があったものの、実現には至りませんでした。

体験航海の再開

2014年7月から「みらいへ」と改名され、神戸港を母港として体験航海事業を再開しました。改めてこの船の魅力を広める活動が期待されます。

遠洋航海における偉業

「みらいへ」は、数々の遠洋航海に挑戦しました。処女航海は1994年4月8日に行われ、姉妹都市の上海を訪れました。その後も多くの国際イベントに参加し、特に1995年に開催された「第3回メルボルン大阪ダブルハンドヨットレース」や、1997年にホスト船として参加した「SAIL OSAKA '97」など、重要な役割を果たしてきました。

中でも特筆すべきは、2000年12月25日に達成した日本の帆船として初の世界一周航海です。この航海は、大阪市によるオリンピック誘致活動の一環として行われ、261日の航海を経て約28,600海里を巡りました。また、各国の祭典にも参加し、多くの人々にその名を知らしめました。

船の設計と特徴

「みらいへ」は、3本マストのトップスルスクーナーで、全通平甲板型の設計が施されています。帆装は約783平方メートルで、横帆や縦帆が組み合わさっており、メインマストの高さは約30メートルに達します。これによって、さまざまな風の条件に応じた帆走が可能です。

名誉艦長タモリ

2014年には、横浜で開催されたヨットレース「タモリカップ2014」において旗艦を務め、タモリが名誉艦長として乗船するなど、イベントにも参加してきました。このように、「みらいへ」は、ただの航海練習船としての役割を超え、文化や教育の場としても利用されてきました。

おわりに

「みらいへ」は、航海における学びや体験の場を提供し続けており、訪れる人々に新たな発見と思い出を与えています。今後もこの船が持つ可能性を引き出し、多くの人々に愛される存在であり続けることを願っています。

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