ものみの塔聖書冊子協会

ものみの塔聖書冊子協会の概要

ものみの塔聖書冊子協会は、エホバの証人によって運営される宗教法人で、主に2つの法人が存在します。1つはペンシルバニア州のものみの塔聖書冊子協会で、もう1つはニューヨーク法人のものみの塔聖書冊子協会です。この組織は、世界規模での伝道活動を推進しており、エホバの証人が信じる教義を広めることを目的としています。

ペンシルバニア州のものみの塔聖書冊子協会

この組織は1881年に設立され、初めは「シオンのものみの塔冊子協会」という名称でした。当初の目的は、エホバの証人の伝道活動に必要な聖書文書を印刷し、頒布することでした。協会設立とともに、エホバの証人の伝道活動のための組織と制度が整えられていきました。1884年には法人として認可を受け、チャールズ・テイズ・ラッセルが会長に就任します。

1896年に名称を「ものみの塔聖書冊子協会」に変更し、1955年には現在の名称となる「ペンシルバニア州のものみの塔聖書冊子協会」に改称されました。この法人の重要な出来事には、ラッセルが所有していた「塔出版会社」が協会へ寄贈されたことがあります。これにより、多くの出版物が一括して扱われるようになりました。

歴史的な背景と重要な出来事

1916年にラッセルが亡くなると、新たにジョセフ・フランクリン・ラザフォードが会長に任命されましたが、彼の指導方針に対し異議を唱える理事が現れ、組織内での対立が生じます。この時期、ラッセルの遺稿に関する問題が浮上し、最終的にヒューマン・リソースの問題へと発展しました。1920年代には、組織の活動が次第に整い、製本から印刷までの工程を自ら行える体制が整いました。

1944年には協会の定款が改正され、これによってエホバの証人の組織内部での民主的な運営が強化されました。この変更により、役員の選出における寄付に関する制約が撤廃され、組織の健全性が高まりました。これらの変更は、組織が外部から影響を受けるリスクを減少させるための施策ともなりました。

歴代会長

歴代の会長には、以下のような人物が名を連ねています：

• - チャールズ・テイズ・ラッセル（1884-1916）
• - ジョセフ・フランクリン・ラザフォード（1917-1942）
• - ネイサン・ホーマー・ノア（1942-1977）
• - フレデリック・ウィリアム・フランズ（1977-1992）
• - ミルトン・ジョージ・ヘンシェル（1992-2000）
• - ドン・オールデン・アダムス（2000-2016）
• - Robert Ciranko（2016-）

ニューヨーク法人のものみの塔聖書冊子協会

この法人は1906年に設立されたもので、設立当初は「一般人の説教壇協会」と呼ばれていました。目的は、世界規模の伝道活動を監督することです。1939年に名称は「ものみの塔聖書冊子協会」に変更され、1956年には現在の名称に改名されました。通常、ペンシルバニア州の法人の会長が兼任しています。

その他の関連組織

• - 国際聖書研究者協会：1914年にイギリスで設立。
• - Christian Congregation of Jehovah's Witnesses：信者向けの機関誌に関する著作権を管理しています。

日本における活動

日本においては、1926年に明石順三によって組織が設立され、その後日本での伝道活動が展開されました。戦後は多くの宣教者が派遣され、現在では日本国内に22万人以上の信者が存在すると見られています。この数は、国内のキリスト教系団体の中でも大きな割合を占めており、国際的な活動とも連携しています。

これらの歴史や活動から、ものみの塔聖書冊子協会はエホバの証人の宗教活動の中心的な機関として、今後もその役割を続けていくと考えられます。

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