ヤナギヤ

株式会社ヤナギヤ：食品機械製造で世界を舞台に活躍する企業

株式会社ヤナギヤ（Yanagiya Machinery Co., Ltd.）は、山口県宇部市に本社を構え、食品機械の製造を専門とする企業です。その歴史は1916年（大正5年）にまで遡り、柳屋元助氏が家業である蒲鉾製造業「柳屋蒲鉾店」を創業したことから始まりました。

創業から食品機械製造への転換

創業当初は蒲鉾製造を手掛けていた柳屋ですが、当時手作業で行われていた擂潰（魚のすり身を作る工程）の機械化に着目し、独自の撹拌擂潰機の開発に成功します。この成功を機に、1932年（昭和7年）には柳屋鉄工所を開業し、食品機械製造業へと本格的に参入しました。

多様な食品機械と世界シェア

現在、ヤナギヤは蒲鉾、竹輪、揚げ物、魚肉ソーセージといった水産練り製品の製造機械をはじめ、豆腐製造機械、海苔製造機械など、多岐にわたる食品機械をオーダーメイドで製造しています。中でも特筆すべきは、カニ風味蒲鉾製造機です。カニ風味蒲鉾を発明した大崎水産株式会社からの許可を受け、製造機の開発・販売を手掛け、現在では世界シェアの70%を占めるまでに成長しました。魚肉練り製品加工機械分野においては、製造開始以来、世界シェア第1位を維持し続けています。

海外市場への展開も積極的に行っており、売上全体の20%を海外が占めています。1982年（昭和57年）に韓国、ロシアへの進出を皮切りに、現在では43カ国（うちカニ風味蒲鉾生産設備は16カ国）に製品を輸出しています。

歴史

1916年（大正5年）：柳屋元助が柳屋蒲鉾店を創業。
1926年（大正15年）：蒲鉾用撹拌擂潰機の実用新案を出願。
1932年（昭和7年）：柳屋鉄工所を開業。
1950年（昭和25年）：株式会社柳屋鉄工所を設立。
1967年（昭和42年）：本社工場を宇部市西宇部に移転。
1982年（昭和57年）：韓国、ロシアへ進出。
1985年（昭和60年）：株式会社ヤナギヤに商号変更。
1990年（平成2年）：本社工場を宇部市善和に移転。
2006年（平成18年）：「全国元気なモノ作り中小企業300社」に認定。
2007年（平成19年）：文部科学大臣表彰科学技術賞（技術部門）を受賞。

組織と事業拠点

ヤナギヤは、代表取締役社長以下、取締役、監査役で構成されています。

事業拠点としては、以下の通りです。

本社：山口県宇部市
支店：横浜支店、大阪支店
営業所：仙台営業所
海外事務所：パリ事務所
* 生産拠点：本社工場（山口県宇部市）

メディア掲載

2012年には、テレビ東京系列の経済番組「日経スペシャル カンブリア宮殿」で、ヤナギヤが紹介されました。

関連企業

ヤナギヤ創業者の柳屋元助は、宇部蒲鉾の前身である宇部かまぼこ合同組合の初代組合長を務めています。

株式会社ヤナギヤは、長年の歴史と技術力で、日本の食品機械産業を支えるとともに、世界中の食文化に貢献している企業です。

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