よろしく哀愁

よろしく哀愁：郷ひろみ最大のヒット曲

1974年9月21日、郷ひろみの10作目のシングル「よろしく哀愁」が発売されました。この曲は、郷ひろみと酒井和歌子が出演したテレビドラマ『ちょっとしあわせ』の主題歌として書き下ろされたものです。作曲は、郷ひろみの楽曲制作に数多く携わってきた筒美京平氏。作詞は安井かずみ氏ですが、パリ滞在中で連絡が取れなかったため、酒井政利氏が急遽詞を書き直すというエピソードも有名です。

発売後、オリコンシングルチャートで1位を獲得。これは、ジャニーズ事務所所属歌手として初の快挙であり、郷ひろみにとっても唯一のオリコン1位獲得作品となりました。この曲は、郷ひろみの代表曲であり、彼のキャリアにおいて最も大きな成功を収めた楽曲の一つと言えるでしょう。

その後も「よろしく哀愁」は、1989年に8cmCDとして再発。カップリング曲が「お嫁サンバ」に変更されたバージョンも存在します。さらに2005年には、シングルBOXにオリジナルカラオケバージョンが収録され、再リリースされました。

多彩なカバーとアンサーソング

「よろしく哀愁」は、多くのアーティストにカバーされています。その中には、吉田拓郎、少年隊（東山紀之）、桃井かおり、TOKIOといった錚々たる面々が名を連ねています。特に、1994年にシンシア（南沙織）がリリースしたカバーバージョンは、KDD（現KDDI）ファミリートークのCMソングとして起用され、大きな話題となりました。

また、ニューロティカによるアンサーソング「よろしく哀愁パートII」も存在し、楽曲の持つ普遍的な魅力を改めて示しています。

シンシア（南沙織）版「よろしく哀愁」

シンシア（南沙織）による「よろしく哀愁」は、1994年6月22日にシングルとして発売されました。南沙織が日本の歌手による楽曲をカバーしたのは、この曲のみという点が特筆すべき点です。

南沙織は、安井かずみ・筒美京平コンビからアルバム『Cynthia Street』で楽曲提供を受けた経験があり、酒井政利氏も両名について「南沙織が長女、郷ひろみが長男」と表現するほど、深い繋がりがありました。「よろしく哀愁」は、酒井政利氏のプロデュース業の原点と言える、郷ひろみと南沙織という両名の歌唱バージョンが存在する、唯一のシングルA面曲となりました。

シンシア版のカップリング曲は、山崎ハコ作詞作曲の「Art of Loving」です。この曲は、1993年10月1日発売のアルバム『Art of Loving』のタイトル曲でもあります。

シンシア版「よろしく哀愁」は、数々のアルバムにも収録されており、現在も聴くことができる楽曲です。CMソングとしても使用されたことで、幅広い世代に親しまれる名曲となりました。

まとめ

「よろしく哀愁」は、郷ひろみ、そして日本の音楽史において重要な位置を占める一曲です。オリコン1位獲得という偉業、数々のアーティストによるカバー、そして南沙織版の存在など、その影響力は現在も色褪せていません。この楽曲が持つ、時代を超えて愛される普遍的な魅力は、多くの音楽ファンの心を掴んで離しません。 楽曲誕生の背景や、様々なアーティストによる解釈を知ることで、その魅力をより深く理解できるでしょう。

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