リョウ

リョウ

『リョウ』は、上田倫子による日本の少女[[漫画]]作品。『マーガレット』（集英社）にて連載されました。

あらすじ

現代を生きる女子高生・遠山りょうは、修学旅行先の京都で弁慶と名乗る謎の男に襲われます。この出来事をきっかけに、彼女は自分が平安時代に生きていた源義経（牛若丸）であることを知ります。謎の狼に導かれるように、弁慶とともに平安時代へと戻り、男であるはずの義経が実は女であったという事実が、源氏と平氏の勢力争いに複雑に絡み合っていく物語です。

主な登場人物

遠山りょう（とおやま りょう）／源義経

現代の女子高生であり、その正体は歴史に名を残す源義経。３年前、樹海で保護された際に記憶を失い、交通事故で亡くなった少女・遠山りょうとしての記憶を与えられました。修学旅行中に弁慶と出会い、自らの正体を知ります。源氏再興を願う弁慶に惹かれ、平安時代で様々な困難を乗り越えながら成長していきます。弁慶と愛し合う一方で、敵対する平維盛の優しさに心を奪われる場面も。平家滅亡後、奥州で弁慶と結ばれ子を授かりますが、頼朝の攻撃により幸せな日々は長くは続きませんでした。その後、農村で身分を隠し、葵と名付けた息子を育てますが、突如現れた狼に葵を奪われ、過去へと戻り、事故死する前の本物のりょうを救い命を落とします。

武蔵坊弁慶（むさしぼう べんけい）

義経の家来。りょうに絶対的な忠誠を誓い、彼女を命がけで守ります。長身で美しい容姿を持ち、過去の恋人の死から誰かを愛することを避けていましたが、次第にりょうに惹かれていきます。りょうと共に頼朝の追跡から逃れる際、矢に射たれて絶命します。

平維盛（たいらの これもり）

優しく聡明な平家の御曹司。りょう（義経）と敵対する立場でありながら、彼女を深く愛します。しかし、りょうと結ばれないことを悲観し、酒に溺れた結果、病に倒れてしまいます。

平賀葵（ひらが あおい）

りょうの幼馴染。彼女を慕い、過去の時代へ。争いを好まない優しい性格ですが、りょうを守るため、最期は剣を手に頼朝に立ち向かい命を落とします。りょうと弁慶は、自分たちの子供に「葵」と名付けることを誓います。作者のあとがきによると、彼は最初からりょうと弁慶の子という設定でした。

虎子（とらこ）

弁慶の元恋人で、京都の元芸妓。弁慶を追いかけて過去へ行き、最終的に木曾義仲と夫婦になります。

常陸坊海尊（ひたちぼう かいそん）

維盛の家来でしたが、平家に母親を殺されたため裏切り、りょうの家来となります。弁慶とは幼馴染。りょうの死後、現代で葵と本物のりょうを見守ります。

うた

海尊の妹で、弁慶の許嫁でした。故郷を守る戦いで弁慶を庇い、平氏に殺害されたことが、弁慶が平氏を討つ理由となります。

源頼朝（みなもとの よりとも）

りょう（義経）の異母兄。当初は優しく頼りになる兄でしたが、妻・政子の死後、精神を病み、りょうを女性として求め、自分のものにしようとします。

静御前（しずかごぜん）

りょうが平泉に滞在していた際に出会った白拍子。平家への潜入に協力するなど、りょうを助けます。

常盤御前（ときわごぜん）

りょう（義経）の母。慈悲深い女性で、平治の乱の後、清盛に、りょうが男であると嘘をつき、平氏に嫁ぐのを阻止しようとします。しかし、清盛が真実に気付いていることを知り、りょうを男子として育てる決意をします。

遠山源一郎（とおやま げんいちろう）

りょうの祖父。剣道道場を経営していましたが、練習の強要が原因で交通事故でりょうを失います。数年後、樹海で発見した義経にりょうの記憶を植え付け、孫として可愛がります。藤原秀衡に容姿が似ています。

藤原秀衡（ふじわらの ひでひら）

奥州藤原氏の長。りょうを男性だと思い込み、元服の際に縁談を持ちかけますが、実は女性だと打ち明けられショックを受けます。その後、りょうに女性の装束を贈ります。

* 藤原泰衡（ふじわらの やすひら）

藤原秀衡の嫡男。りょうを疎んじていましたが、元服の一件を経て剣術の稽古をつけるようになります。

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