アクションフィギュア

アクションフィギュアの世界

アクションフィギュアは、可動式の関節を持つ人形型のフィギュアです。その歴史、種類、主要企業、そして人気シリーズについて詳しく見ていきましょう。

アクションフィギュアの定義

アクションフィギュアには、狭義と広義の定義があります。狭義では、約20cm（1/9スケール）または約30cm（1/6スケール）の人間型フィギュアで、布製の衣装をまとったものを指します。一方、広義には、可動式の関節を持つフィギュア全般を指し、日本のホビー業界では、素材や衣装表現の違いからフィギュアとドールに分類されることもあります。樹脂や塗装で表現されたものはフィギュア、布製の衣装を着せるものはドールと呼ばれることが多いです。

アクションフィギュアの歴史

アクションフィギュアの歴史は、1964年にハズブロ社が発売した『G.I.ジョー』に遡ります。12インチサイズのこのシリーズは、縫製された衣装を備え、男児向け玩具市場に大きな影響を与えました。しかし、1970年代には人気が衰え始めます。

その後、タカラの『ミクロマン』がヒット。この3～5インチサイズの可動人形は、縫製衣装を省いた簡素なデザインで、子供向け玩具として広く普及しました。日本では長らく子供のおもちゃという認識が定着しました。

1997年頃、『スポーン』など高付加価値なフィギュアがヒットし、アメリカでアメトイブームが起こります。このブームによって、“アクションフィギュア”という呼称が、縫製衣装のない3～5インチサイズの可動人形を指すものとして再定義されてしまいます。同時に、G.I.ジョーのような12インチサイズのフィギュアも大人のコレクターの間で再び注目を集め始めましたが、一部のショップでは「ドール」として分類されることもありました。

G.I.ジョーの誕生以前は、男児向け玩具に人形は珍しく、特にバービーのような縫製衣装は「女子向け」と認識される可能性がありました。そのため、ハズブロ社は「アクションフィギュア」という名称を採用したのです。この呼称は、結果として時代とともに異なる意味を持つことになります。

12インチサイズのミリタリーアクションフィギュア市場では、21stセンチェリートイズ社やDRAGON社などの参入により、精巧な造形が求められるようになり、「12インチサイズの玩具」から「1/6スケールの精密模型」へと進化を遂げました。

2000年代末からの円高を背景に、海外生産への移行が進みます。人手のかかる塗装工程を比較的低コストで行えるPVC樹脂成型フィギュアが急成長しました。これにより、プラモデルが主流だったロボット系キャラクターも、リボルテックやROBOT魂など完成品のアクションフィギュアとして多く発売されるようになります。figmaなどの美少女フィギュアの成功により、15～20cm（1/12スケール相当）が標準サイズとなり、美少女プラモデルや小スケールの武器キット、情景小物などを含めた市場が形成されました。

アクションフィギュアを撮影した写真作品は「オモ写」と呼ばれ、新たなジャンルとして発展しています。

主要企業

世界中でアクションフィギュアを製造する企業は数多く存在します。特に、香港の企業が1/6スケールフィギュア市場で大きなシェアを占めています。代表的な企業としては、以下のものがあげられます。

Hasbro (アメリカ)
21st Century Toys (アメリカ)
Hot Toys (香港)
Threezero (香港)
Medicom Toy (日本)
タカラトミー (日本)
その他多数の香港、中国企業

主なシリーズ商品

数多くの企業から、多様なシリーズのアクションフィギュアが発売されています。部品の組み替えが可能なものなど、様々なギミックを備えた製品が多く見られます。

ここでは、ほんの一例として、いくつかの代表的なシリーズを紹介します。

G.I.ジョー (Hasbro)
ミクロマン (タカラトミー)
リボルテック (海洋堂)
figma (マックスファクトリー)
ROBOT魂 (バンダイ)
* そしてその他多数

まとめ

アクションフィギュアは、子供向け玩具から大人コレクター向けのアイテムへと進化を遂げ、現在では多様な市場を形成しています。今後も、技術革新や新たな表現方法の開発によって、ますます発展していくことが期待されます。

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