アシリベツの滝

アシリベツの滝

アシリベツの滝は、札幌市南区の厚別川上流に位置する、落差26mの滝です。日本の滝百選にも選ばれており、その美しい景観は多くの人々を魅了しています。

名称の由来

滝の名前は、アイヌ語の「アシリベツ（新しい川）」に由来します。このアシリベツは、厚別という地名の語源にもなっており、この地域における川の歴史を物語っています。

成り立ち

アシリベツの滝が形成された背景には、数万年前の支笏カルデラを形成する大規模な火山噴火があります。この噴火によって、現在の胆振総合振興局中央部から石狩振興局南部にかけての広範囲が、支笏火山下降軽石や軽石流堆積物で覆われました。厚別川の源流部も同様に埋没しましたが、噴火が収まると、川は再び流れを取り戻し、侵食活動を再開しました。

この時、谷を覆っていたスコリアの弱い溶結部は侵食されて峡谷となり、強い溶結部は切り立った柱状節理の崖として残りました。この地形の高低差が、アシリベツの滝を生み出したのです。

歴史

1880年（明治13年）には、開拓使によって滝の上流部に水車器械所が建てられ、屋根柾（屋根葺きに使う薄く割った板）などが生産されました。その後、厚別木挽所と改称されましたが、1886年（明治19年）に北海道庁の方針で事業は終了しました。しかし、器械場の地名は昭和初期まで残っていました。

現在

現在、アシリベツの滝の周辺一帯は滝野すずらん丘陵公園として整備されており、多くの人々が訪れる観光スポットとなっています。滝の上を北海道道341号真駒内御料札幌線が通っており、滝と道路が共存する珍しい景観も見ることができます。

参考文献

日本歴史地名大系（オンライン版）　小学館

関連項目

日本の滝百選

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