アナパ

アナパの概要

アナパ（ロシア語: Ана́па、アディゲ語: Быгъуркъал）は、ロシア連邦の南部に位置し、黒海に面したクラスノダール地方の都市です。アゾフ海の入り口近くに位置するアナパは、元々アディゲ人のナトゥハイ部族が住んでいた港町であり、現在では多くのサナトリウムやホテルが集まる海浜リゾート都市として知られています。2021年時点での人口は8万1863人です。

地理

アナパは、コーカサス山脈の北西のふもとに広がり、西側は黒海に面しています。アナパの西側にはタマン半島が広がっており、クリミア半島とケルチ海峡を挟んで接近しています。州都のクラスノダールからは160km西、最寄りの都市には南東に約50kmの所に位置するノヴォロシースク、北には約50kmの距離にあるテムリュクがあります。

気候は温和で、1月の平均気温は1度、7月は23度と、四季がはっきりしていますが、冬はマイナス20度に下がることもあります。

歴史

アナパ周辺には古代からの歴史が存在します。かつてはシンダという名の大規模な港があり、紀元前6世紀には古代ギリシャ人によって植民され、ゴルギッピアと呼ばれるようになりました。ゴルギッピアは紀元前3世紀から紀元前2世紀にかけて栄え、海上交易の重要な拠点となりましたが、遊牧民の襲撃により繁栄は終わりました。

15世紀にはオスマン帝国による征服があり、1791年には要塞が完成しました。アナパという名前は18世紀にアディゲ人によって名付けられ、1828年の露土戦争中にはロシア軍によって攻撃を受けました。その後、1836年にスタニツァが設立され、1846年に市の地位を得ました。19世紀後半には温暖な気候を生かしたリゾート地としての開発が進み、近代的なサナトリウムやスパも設立されました。

第二次世界大戦中、ドイツ軍に占領されましたが、戦後は再建が進み、人気のリゾート地としての地位を確立しました。

経済

アナパの経済は主に観光業によって支えられています。観光シーズンには300万人の観光客が訪れ、家族向けリゾートとして人気があります。北カフカース鉄道の駅や国際空港もあり、アクセスが充実しています。

アナパ周辺には美しい砂浜が広がり、晴れた夏には多くの観光客が訪れます。近年では、アナパのリゾートが人気を集めており、西欧のリゾート地に比べて低価格なため、多くの人々が選ぶ傾向にあります。また、ワイン製造でも名高い地域であり、大規模な観光地開発計画も進行中です。

新たな開発計画「アナパ・ノヴァ」では、さまざまなホテルやショッピングセンター、ゴルフコースなどが予定されており、国際資本が参加する予定です。アナパはその美しい環境と歴史的な背景を持ち、訪れる人々に独自の魅力を提供しています。

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