アブレスト

アブレスト (abreast)

アブレストとは、英語で「並び」を意味し、特に航空や軍事の文脈で使われる用語です。この用語には主に軍事航空と民間航空における二つの異なる意味があります。

軍事用語としてのアブレスト

軍事においては、アブレストは二機以上の航空機が横一線に並んで飛行する編隊を指します。この編隊飛行は、部隊の規模や作戦の目的に応じて様々な形式を取ります。

民間航空用語としてのアブレスト

一方、民間航空の文脈では、アブレストは客席が横に並んだ配置を示します。具体的には、1行あたりの列数を指し、航空機の座席配置を説明する際に頻繁に使用されます。例えば、ボーイング747のエコノミーでは座席配置を「3-4-3の10アブレスト」といった表現で表現します。なお、同じ機体でも、航空会社や運航路線によって座席配置は大きく異なる場合があります。

アブレストの具体例

ここではアブレストの座席配置に関する具体的な例を示します。

ナローボディ機の場合

• - 1-1の2アブレスト: 軽飛行機やビジネスジェットなどで採用される。
• - 1-2の3アブレスト: 小型機であるBN-2やDHC-6など、2席以上並ぶ形式。
• - 2-2の4アブレスト: 旅客数が50から100名程度のリージョナルジェット。ボーイング737やエアバスA320のビジネスクラスにも見られる。
• - 2-3の5アブレスト: マクドネル・ダグラスDC-9やボーイング717などで採用。
• - 3-3の6アブレスト: ボーイング737やエアバスA320エコノミーで一般的。

ワイドボディ機の場合

通路が2本設けられる場合のアブレストは以下のようになります。

• - 2-1-2の5アブレスト: ボーイング767のファーストクラスで見られる。
• - 2-2-2の6アブレスト: ボーイング777やエアバスA330のファーストクラス及び、ビジネスクラス。
• - 2-3-2の7アブレスト: ボーイング767のエコノミーによく使われる配置。
• - 2-4-2の8アブレスト: エアバスA330やA340のエコノミー、またボーイング767のチャーター便での配置。
• - 2-5-2の9アブレスト: ボーイング777-200のエコノミーで採用。
• - 3-3-3の9アブレスト: ボーイング787やエアバスA350 XWBのエコノミーで一般的。
• - 3-4-3の10アブレスト: 大型旅客機、特にボーイング747やエアバスA380のエコノミーでの例です。

新幹線におけるアブレスト

日本の新幹線にもアブレストという用語が使われます。

• - 2-1の3アブレスト: グランクラス、旅客機のファーストクラスに相当。
• - 2-2の4アブレスト: グリーン車やミニ新幹線の標準的な配置。
• - 3-2の5アブレスト: 普通車の一般的なレイアウト。
• - 3-3の6アブレスト: 新幹線E4系電車の一部で見ることができます。

まとめ

このように、アブレストは航空機や鉄道などの交通機関における座席配置を示す重要な用語です。幅広い分野で使われており、理解することでより快適な旅を楽しむことができるでしょう。

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