イプソス

イプソスグループの概要

イプソスグループ（Ipsos Group SA）は、パリを本拠地とする国際的な市場調査コンサルティング会社です。1975年にディディエ・トルショーによって設立され、1999年にはパリ証券取引所に上場しました。企業買収や新設を通じて拡大を遂げ、2011年にはシノベイトを買収した結果、世界第3位の調査会社に成長しました。2014年時点で、イプソスは88カ国にオフィスを展開し、16,530人の従業員を擁しています。

設立の背景と歴史

イプソスは、設立者のトルショーがフランス世論研究所（IFOP）やISOSでの経験を生かして誕生しました。彼は、広告やメディアの効果を評価する手法に注力し、1977年に看板広告の効果測定手法であるBAF（Baromètre d'Affichage）を開発。この後もメディアに特化した手法を取り入れ、1979年にはフランス人エグゼクティブの読書習慣を調査するFCA（France des Cadres Actifs）を導入しました。

企業は当初、穏やかな成長に留まっていましたが、ジャン・マルク・レッヒが共同会長に就任後には世論調査事業にも乗り出し、1980年代にはフランスでのメディア・リサーチ会社ランキングで第5位に躍進しました。これは同時期の政治動向とも相まって、世論調査部門での競争力を高める結果となりました。

ヨーロッパ及び国際展開

1990年代に入ると、イプソスは主に企業買収を通じてヨーロッパ市場へ進出しました。特にスペイン、イタリア、ドイツ、イギリス、中欧のハンガリーなど、新たな市場を開拓しました。1992年には株式の一部を民間投資家に開放し、Baring Private Equityが初の新しい株主となりました。この時、トルショーとレッヒは株式の約3分の2を保持し続けました。

1990年代半ばにはイプソスはヨーロッパでの重要な市場調査会社となり、さらなるグローバル展開を計画しました。フランソワ・ピノー（アルテミスグループ）やウォルター・バトラー（アムスター）に株式の40％を売却。これにより、新たな資金調達の道を開き、1997年にはメキシコのノベーションを買収して南米市場に進出し、1998年にはアメリカのASIマーケットリサーチを買収して北米へも展開を果たしました。

現在の状況と今後の展望

1999年にパリ証券取引所に上場したことは、イプソスにとって大きな成功でした。この資金調達により、今後の事業拡大に必要な資金を得ることができました。その後、インターネットオーディエンス測定専用の合弁会社MMXI ヨーロッパを設立し、アクセスパネルに特化したNFOワールドワイドを傘下に持つことになりました。さらに、カナダのアンガス・リードを買収し、2000年にイプソス・リードに改名して事業をさらに広げました。

最近では、2011年にシノベイト、2018年にはソーシャルリスニングプラットフォームであるシンセシアを買収するなど、市場におけるポジションを強化し続けています。2015年度の収益は17億8530万ユーロであり、地域別ではEMEAからの収益が44%、南北アメリカが39%、アジア太平洋が17%を占めています。

子会社とサービス

イプソスグループの子会社には多様なブランドがあり、Ipsos MORI、Ipsos Reid、Ipsos Business Consultingなどが含まれます。これらの子会社はそれぞれ異なるニーズに応え、クライアントに質の高い市場調査サービスを提供しています。公式ウェブサイトや各種SNSプラットフォームも活用し、最新の情報を顧客や利用者に発信しています。

市場調査の分野においてイプソスは、今後もさらなる成長と革新を追求していくでしょう。

もう一度検索