インターンシップ

インターンシップについての概説

インターンシップ（英: internship）は、主に学生が特定の職場で実務経験を得るための制度です。この制度は商人や職人の徒弟制度に類似していますが、国や企業によって内容が多様であり、標準化や監査は行われていません。インターンシップは、略して「インターン」とも呼ばれます。実際には、参加者が業務を通じて実践的なスキルを身に付けることを目的としています。

起源

インターンシップの起源は1906年にさかのぼります。オハイオ州のシンシナティ[[大学]]の工学部長であったヘルマン・シュナイダー博士がこの制度を創案したとされています。それ以来、インターンシップは多くの国で取り入れられ、学生に多様な実務経験を提供する場となりました。

各国におけるインターンシップの実態

ヨーロッパ

ヨーロッパにおいては、European Youth Forumの調査によると、インターンの約50%が無給です。さらに、45%のインターンは生活するには十分でない給与を受け取っており、4分の3は給与だけでは賄えず、両親からの援助を受けています。

アメリカ合衆国

アメリカでは、約150万人のインターンのうち1/3から半数が無給とされています。インターンシップは学生が大学入学時から職場体験を重ね、卒業後の技術を磨くために重要とされていますが、研修先が学校側に指定されることが多く、学生の希望が消化されない場合もあります。そのため、個別のインターンシップが主流となり、厳しい審査が行われる傾向にあります。また、無給インターンとして有名なホワイトハウスの実習生になるためには、有名な推薦者からのサポートが必要とされています。不況の影響で、インターンシップは就職活動に必須となりつつありますが、これに伴いインターンを「無料労働力」として利用する企業が増加しており、社会問題化しています。

イギリス

イギリスでは、中等教育において就業経験が義務付けられており、14歳から16歳の学生が無給でインターン体験をする機会があります。また、大学生は夏季休暇中にインターンシップに参加できます。大学のスタッフが学生の就業先へのアクセスを助ける役割を果たしています。

日本

日本におけるインターンシップは、初めは有名大学の学生が対象でしたが、現在では広範囲の学生に向けたプログラムが増えています。2000年代以降、企業が人材採用の手段としてインターンシップを利用し始め、大学生の間に「3年の夏にインターン」という文化が根付きました。これにより、インターンシップは単なる職業体験から、就職活動の重要なステップへと発展しています。企業は学生を囲い込む目的でインターンを実施し、時には無給での労働を強いることも問題視されています。

政府の取り組み

日本政府はインターンシップ制度の推進に取り組んでおり、1997年に関連する計画が発表され、制度の整備が進められています。この取り組みにより、インターンシップはより多くの学生に利用されるようになりました。しかし、それに続く環境には無給の「名ばかりインターン」や、学生の囲い込みの問題が指摘され、改善が求められています。

課題

インターンシップは本来的には学生に職業体験を提供する場ですが、一部の企業による意図的な悪用が問題視されています。2010年には、東京新聞において「ただ働き」としてのインターンシップが取り上げられ、社会的な議論を呼び起こしました。これにより、インターンシップの実態が大きく問われています。さらに最近では、入国管理法のもとでの社内実習生の待遇問題や、学生が就職活動の一環として利用される場合もあるなど、複雑な課題が山積しています。これらの問題は今後のインターンシップ制度の運用において、重要な課題として認識されるべきでしょう。

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