ウォルフガング・ペーターゼン

ウォルフガング・ペーターゼンは、1941年3月14日にドイツ北部のエムデンで生まれ、2022年8月12日に膵臓がんで亡くなった映画監督です。彼のキャリアは、ドイツでの初期のテレビ制作から始まり、その後ハリウッドでの成功へと繋がりました。

初期のキャリアと『U・ボート』

ペーターゼンは、ハンブルクのヨハネウム学院で学んだ後、演劇の世界に進み、ベルリンとハンブルクの劇場で経験を積みました。1966年から1970年までベルリンのドイツ映画・テレビアカデミー（DFFB）に在籍し、映画制作の基礎を築きました。初期には、ドイツのテレビ向け作品や、人気犯罪ドラマ『Tatort』のエピソードを監督し、そこで後に『U・ボート』で主演を務めることになるユルゲン・プロホノフと出会いました。

1981年に公開された『U・ボート』は、ペーターゼンのキャリアにおける転換点となりました。第二次世界大戦中の潜水艦乗組員の日常を描いたこの作品は、国際的に高い評価を受け、アカデミー賞にもノミネートされました。この成功により、ペーターゼンはハリウッドでの活動を本格化させることになります。

ハリウッドでの活躍

1980年代半ばにアメリカに拠点を移したペーターゼンは、1985年にSF映画『第5惑星』を監督しましたが、商業的にも批評的にも成功を収めることはできませんでした。しかし、1993年の『ザ・シークレット・サービス』で復活を果たします。クリント・イーストウッドを主演に迎えたこの作品は、興行的に大成功を収め、ペーターゼンは再びハリウッドの第一線に立つこととなりました。

その後も、『アウトブレイク』、『エアフォース・ワン』など、数々の大作を監督しました。『エアフォース・ワン』は、興行的な成功を収めたものの、批評家からは賛否両論でした。これらの作品では、ドイツ人カメラマンのミヒャエル・バルハウスと協力し、独特の映像美を生み出しました。また、近年では、リチャード・ギア主演の『レッド・コーナー』を製作総指揮するなど、幅広い活動を行いました。

1998年までに、ペーターゼンは成功を収めた監督としての地位を確立し、初期の傑作『U・ボート』のディレクターズカット版を再リリースすることができました。また、大作映画では、多くの有名俳優と仕事をするようになりました。

その他の作品と晩年

ペーターゼンは、『パーフェクト ストーム』、『トロイ』、『ポセイドン』など、さまざまなジャンルの映画を手がけました。彼の作品は、迫力ある映像と、緊迫感のある演出が特徴です。

ウォルフガング・ペーターゼンは、2022年8月12日にカリフォルニア州の自宅で亡くなりました。彼の遺した作品は、今後も多くの映画ファンに愛され続けるでしょう。

主な監督作品

昼と夜のような黒と白 Schwarz und weiß wie Tage und Nächte（1978年）
U・ボート Das Boot（1981年）
ネバーエンディング・ストーリー Die Unendliche Geschichte（1984年）
第5惑星 Enemy Mine（1985年）
仮面の情事/プラスティックナイトメア Shattered（1991年）
ザ・シークレット・サービス In the Line of Fire（1993年）
アウトブレイク Outbreak（1995年）
エアフォース・ワン Air Force One（1997年）
パーフェクト ストーム The Perfect Storm（2000年）
トロイ Troy（2004年）
ポセイドン Poseidon（2006年）
ゲットバック 奪還 Vier gegen die Bank（2016年）

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